【2・11集会】聖書に立ち平和つくる使命 中村敏氏
「アメリカの福音派と私たち」同盟基督・新潟山形宣教区「信教の自由」セミナー
日本同盟基督教団新潟山形宣教区「教会と国家」委員会は2月9日、新潟福音教会で「信教の自由」セミナーを開催した。中村敏氏(新潟聖書学院講師・前院長)が、「第二次トランプ政権とその世界・日本への影響―アメリカの福音派と私たち―」と題して講演した。

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米・トリニティー神学校へ留学中の1980年、米大統領選を現地で見た経験などから、米国の福音派と大統領選の関係を解説した。
「米国における福音派とは、同性愛を批判し、人工妊娠中絶に反対し、家父長中心の伝統的な家族倫理を重んじる保守的なキリスト教徒で、多くが白人層。共和党はこうした主張を受け入れているので、福音派は共和党候補に投票してきた。対して民主党は、人工妊娠中絶を認め、同性愛を受け入れていて、福音派白人層以外のキリスト者、労働組合員、ヒスパニック、黒人層の多くを支持基盤とする。米国の選挙では、宗教者、特にキリスト教徒の動向が大きく影響する。投票者の約4人に1人が福音派とされ、うち約80%がトランプ氏に投票したと考えられる」
また、共和党や米国の福音派が親イスラエルの立場をとる背景を解説。創世記12章7節や13章15節といった根拠とされる聖書箇所を示しつつ、12章3節「地のすべての部族は、あなたによって祝福される」も引用。「イスラエル民族が他のすべての民族と共存共栄するべきことが預言されている」と論じた。また、米国の福音派の多くが支持する前千年王国再臨説と結び付いたディスペンセーション主義が、米国のイスラエル支援の根拠となっていることを解説し、次のように自らの立場を示した。「特定の立場からの解釈を唯一のものとし、その立場から現実や未来の出来事を読み込んでいく事には反対。ましてや、そうして信仰的信念から現実の政策や戦争等を支持することは危険であると思います」。過去に日本で起こったディスペンセーション主義を巡る分裂にもふれ、「聖書信仰を主張しながら、特定の聖書個所にのみ光をあて、自分に都合よく解釈し、読み込み、行動することへの警告」と評した。
トランプ氏については、「名声を高めることだけに関心がある」「適格性でなく忠誠で人事を行っている」「自国の優位性を打ち出す主張・政策を連発している」と分析。日本への影響について、、、、、
(2025年03月02日号 04・05面掲載記事)