キリスト全国災害ネット(全キ災、北野献慈世話人代表)主催の第11回会合が4月22日、オンラインで開かれた。
前半の講演の部では、最初に高橋布美子氏(ワールド・ビジョン・ジャパン〔WVJ〕支援事業第2部国内支援・アドボカシー課課長)が、「令和6年能登半島地震緊急支援」の活動報告をした。
支援の目的として「地震被害を受けた子どもが基本的ニーズを満たし日常を取り戻す手助けをする」を挙げる。金沢、七尾、内灘、輪島、穴水、珠洲、能登が対象地で、緊急期(2024年1~3月)は⑴緊急物資支援、⑵子どもの「遊び」支援、⑶学校等再開のための物資支援、⑷仮設支援(西川(株)の布団セット、子ども用プレゼント)、⑸支援者支援(PFA=Psychological First Aid=研修)を実施。

復旧期(24年4月~25年4月)は、⑵、⑷を継続すると共に、⑹学校等継続のための物資・施設整備支援、⑺高校生学習支援金として奥能登5校の高校生へ図書カード贈呈、を行った。
特に⑵では、キリスト者学生会(KGK)北陸地区、北陸学院大学のサポートを受け、輪島市放課後遊び場「みんなであそぼう!」を計21回開催し381人が参加。体育館でゲームやスポーツなどをして楽しんだ。また、「みんなであそぼう! お出かけ企画」としてバス遠足を計3回実施。子どもたちは日頃の環境からしばし離れた。
WVJの能登での主な支援活動は4月をもって終了。「今後は平時の子ども支援の枠組みで、能登の子どもたちのための取り組みを検討したい」と語った。
岡田仰氏(能登ヘルプ代表、金沢独立キリスト教会牧師)は、能登の現在の状況、ここまでの歩み、これからの歩みを報告した(5月4日号3面で既報)。
続いて、堀川寛氏(アッセンブリー・三滝グリーンチャペル牧師、キリスト教会・広島対策室、公認心理士)が「災害支援における心のケアについて」と題して講演。災害に関わる人を被災者、支援者、ボランティアの三つに分け、それぞれに発生する心の問題を指摘。被災者は⑴トラウマ体験(PTSD)、⑵慢性的ストレス(災害関連死、悲惨生活のストレス、サバイバーズギルトなど)、支援者は⑴、⑶義務感と高揚感(軽いそう状態)、⑷燃え尽き(重いうつ状態)、ボランティアは⑴、⑸徒労感・無力感(惨事ストレス)などを挙げた。

心のケアの関わり方としては、特に支援者への関わり方が少ないと指摘。休息・燃え尽き予防などの支援者への心のケアの必要性を説いた。また2025年度、全キ災に「心のケアの専門委員会」(座長・堀川氏)を設置するにあたり、ハンガーゼロ、WVJ、オペレーション・ブレッシング・ジャパン、クラッシュ・ジャパンの4団体には「心のケア」のアンケートを実施したことを報告。「関連団体の相互理解を深め協力体制を強める、ボランティアセンターに負担にならないよう各団体の働きを調整する、などの働きをしていきたい」と語った。
後半の議事では、最初に全キ災新規加盟5団体を紹介。加盟団体は全部で43(地域ネットワーク18、教団15、団体8、メディア2)となった。続いて24年度の活動報告・決算報告、25年度の予算案・活動計画案についての報告があった。特に活動計画では、北野氏が「全キ災の法人化」について触れ、「世話人会で、任意団体のままでいいのか、どれかの法人格を取った方がいいのでは、という話が出ており、今、いくつかの法人格のメリット、デメリットを検討中。今年1年かけて皆さんと共に考えていきたい」と話した。
その他、質疑応答、各グループに分れてのディスカッションの時も持った。
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