1968年に始まり全国約10局で放送する「まことの救い」と、99年に愛媛県・南海放送で始まった「まんだい・えいじのイエス!You CAN」。スタイルの違う二つの地上波ラジオ番組で発信する万代栄嗣さん(日本福音宣教会・松山福音センター牧師)に放送伝道への思いを聞いた。

収録中の万代さん
「まことの救い」は、賛美歌・聖歌、聖書メッセージ、祈りで閉じる10分番組。先代牧師で父の恒雄さんが始めた。当時すでにテレビはあったが、ラジオの影響力も大きく、テレビより資金面のハードルは低かった。恒雄さんは、海外からの献金で放送伝道に携わった経験があるが、高度成長期でもあり、「海外の資金に頼らず日本人の手で日本人の救いのための働きをしなければならない」という使命感をもった。
放送を始めたのは、大阪の放送局朝日放送だった。「父は各地で巡回伝道師の働きをしていましたが、特に関西で呼ばれた。一回伝道集会すると、20人も30人も救われるということが当時はあった。開拓が始まったばかりの教会を応援していました」。当初から関西のみならず全国に広げたいという思いがあり、朝日放送を通じて各地の放送局に広まった。
毎月リスナー向けの伝道集会を300人規模で開催していたという。ラジオと集会が一体化し、大衆伝道の働きが進んでいた。「1970年大阪万博の時は、会場近くの茨木福音教会に呼ばれ、3週間の伝道集会をし、500人が決心していた」と時代の雰囲気を語る。
恒雄さんが亡くなり、95年から栄嗣さんが番組を引き継いだ。「父のような語り口はできないが、どうすればリスナーに響くか、目の前にその人がいるかのように語り掛けるようにしています」
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連絡のあったリスナーや支援者には、機関紙「落ち穂」を送っている。3,000部を届けている。救いの証しやメッセージ、イベント案内も掲載している。また連絡があれば、自分たちの教会だけではなく、住まいの近くの教会も紹介している。「種まきが大事。今、分かりやすく、目の前の、すぐ刈り取りができるものばかりが望まれていないか。教会学校もそうだが、いつ芽が出るかわからないことでも種まきをし続けることが大事だ。各地で放送をきっかけに洗礼を受けたという話を聞くとうれしい」と話す。
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「まんだい・えいじのイエス!You CAN」は、アナウンサーと栄嗣さんの対話による30分のトーク番組だ、、、、
・「まことの救い」
ABCラジオ月曜4時35分~ など全10局およびラジオNIKKEI
・「まんだい・えいじのイエス!You CAN」
南海放送日曜22時~
(2025年04月27日号 05面掲載記事)
