女性保護、高齢福祉から総合化 社会福祉法人ミッドナイトミッションのぞみ会


房総の豊かな自然に囲まれた、地域密着型の総合福祉施設…。そんな印象を与えてくれるのが、千葉県富津市を中心に事業展開する社会福祉法人ミッドナイトミッションのぞみ会(木下宣世理事長、以下・のぞみ会)だ。
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今年で創立63年目を迎えるが、女性を支援・保護する働きをスタートに、今では高齢者、障がい者、子どもなど、その福祉サービスは全世代、多岐にわたる。また、千葉県や富津市などの委託事業など、地域につながるサービスも充実している。現在、事業所は18、職員数はパートも含めて300人、利用者は入所者、通いを含めて500人は受け入れているという。
昨年11月、創立者の木下ドーラ氏(来日当時はドーラ・ムンディンガー)が亡くなった。のぞみ会は、ドーラ氏が「日本の女性たちが助けを求めている」との要請を受けたことから始まる。1952年、MBK(少女聖書研究)ミッション宣教師として来日。一緒に来日したウルスラ・フォン・ライスヴィッツ氏と共に、東京、千葉など戦後混乱期の日本の夜の街を回り、助けを求める女性たちを保護し、生活の場を与える活動を展開。法人名「ミッドナイトミッション」の由来は、この「真夜中の宣教」から来ている。
56年、売春防止法成立を機に、千葉県の婦人相談所はドーラ氏に婦人保護施設を作ってくれるよう要請。これを受け、施設設立準備が始まり62年、のぞみ会設立。施設建設に県内の他の市町村が尻込みする中、富津市(当時は富津町)が快く受け入れに応じ、同年、社会生活を営む上で様々な困難を抱える女性を保護する施設「望みの門学園」が誕生した。「望みの門」とはホセア書2章15節の言葉から来ている。
その7年後、高齢者福祉にも働きを広げる、、、、、

(2025年06月01日号 04面掲載記事)