教会と介護事業の関係構築 特定非営利活動法人フレンドシップあさひ
フィットネスマシンで運動する、「スポーツデイ」の利用者たち。筋力は自動測定、データベース化され、健康維持に役立てられる。長期の利用者で、80代から90代にかけて筋力が下がっていない例、スコアが上がった例もあると、所長の鈴木淳(あつし)さんはうれしそうに紹介する。
神奈川県横浜市旭区にある「フレンドシップあさひ(FSA)」は、通所介護と居宅介護で三つの事業を展開する。「本店」は、入浴、運動、食事を行う、半日か一日のデイサービス。「スポーツデイ」は、身体と脳の運動を行う、機能訓練型の半日デイサービス。「介護サービス」はケアプランを作成する居宅介護支援事業を行っている。施設全体で400人超の利用者がおり、35人のスタッフが支え。
FSAは2008年、カンバーランド長老教会日本中会の伝道所である、あさひ教会の開拓と同時に創業した。伝道活動と介護事業をともに運営することで、「神と人とに仕える」ことをミッションとする。鈴木さんは先駆者の牧師に〝弟子入り〟して学び、あさひ教会の牧師として仕えながら、社会福祉士、ケアマネージャー、介護福祉士などの資格を取ってきた。「福音伝道と同じく社会貢献も、自分が礼拝で語ったことを自分で実践しなければ」という思いがあったという。
施設の朝は、ローズンゲン(日々の聖句)を用いた学びで始まる。鈴木さんは、神学生の時に教授が言ったことが心に残っているという。「『神学生を可愛いと思わなかったら教授なんてできないよ』と。私も、利用者も職員も可愛いと思い、愛していかなくてはいけない、と思っています」
フレンドシップあさひ
クリスマスなどの折には、あさひ教会の礼拝に集うことを定例にしている利用者もいる。教会は施設と同じ建物、同じ送迎車を使うため、利用者も安心してくれるという。
2か月に一度の「カレーの日」は、あさひ教会の信徒が奉仕。建物の前にテーブルを出し、通行人や近隣の人々に一杯100円でカレーを振る舞う。施設利用者が持ち寄った品々のバザーも開き、地域と交流もしている。
FSAの事業には、開拓中のあさひ教会を経済的に支え自立までを助ける、という側面もあった、、、、、
(2025年06月01日号 04面掲載記事)