大国間の動きに翻弄される中、ウクライナで光を見れるか。以下は、現地の教会で宣教する船越夫妻のレポート(12月23日)
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激動の2025年もいよいよ終わりに近づきました。
いつもウクライナを覚え、祈り、支え続けてくださっているみなさまに心から感謝しています。
オデッサはここ数週間ほぼ毎日空爆が続いています。特に12月13日、ロシア軍は400機を超える無人爆撃機と30発を超えるミサイルでウクライナを攻撃をし、特にオデッサがある南部では広範囲の断水と停電が発生し、水は2日目に回復しましたが、電気は場所によっては6日以上ない状態が続きました。現在は部分的に回復しています(断続的な停電は続いています)。

ロシア軍は執拗に攻撃を繰り返しており、電力インフラへの攻撃に加えて、オデッサ周辺の主要な橋への攻撃によって流通を困難にしようとする攻撃が行われることが強く懸念されています(すでに橋への攻撃は起こっています)。
ウクライナ、アメリカ、ロシアとの和平交渉も非常にわかりにくい状況が続いています。多くのウクライナ人が、自分たちの家族を戦地に送り出し、多大な犠牲を払いながら祖国を侵略者から守っている中で、その血のにじむ努力そのものが否定されるようなあまりにも理不尽と思われる要求を大国から押し付けられる状況に、本当にやりきれない思いを抱いています。停電による物理的な暗さと共に、出口が見えない閉塞感と疲労感から来る暗闇がウクライナを覆っています。そのような状況の中で、教会はイエス・キリストにある希望の光を照らし続ける存在でありたいと心から願っています。
私たちの教会の日曜礼拝では『荒野の決断』シリーズを続けてきました。
12月21日(日)は「クリスマス:イエス・キリストの誕生を取り巻く六種類の人々」というメッセージをしました。イエス・キリストが世の救い主として来られたとき、そのご降誕を祝える位置にいながら祝うことがなかった三種類の人々(ヘロデ王、エルサレムの宗教指導者たち、ベツレヘムの人々)と、それとは対照的に、様々な障壁があったにも関わらず、イエス・キリストの誕生を祝った三種類の人々(マリアとヨセフ、羊飼いたち、東方の博士たち)。
彼らの動機と、その決断を学びつつ、今、自分たちはこの戦時下のウクライナで、この六種類のグループのどこに属するのか、それぞれ自分に問いかける大切な機会となりました。「闇の中に住んでいた民は大きな光を見る。死の陰の地に住んでいた者たちの上に光が昇る。」 暗闇の世界に来られたイエス・キリストの光がこのウクライナで人々の心を明るく照らしてくださることを信じて、教会は福音を語り続けます。
12月21日(日)の午後には「戦没兵士家族会」を行い、50家族を教会にお招きし、食料パッケージの配布と、交わりのときを持つことができました。参加者は本当に温かい楽しい時間を過ごすことができました。この中から、イエス・キリストとの個人的な関係に導かれる人々が起こされるように、続けてお祈りください。(1月の「戦没兵士家族会」では「日本文化紹介」(巻き寿司づくり)を通して、より親しい関係を作っていきたいと願っています。用いられるようにお祈りください。)
私たちはウシンスキー国立大学で日本語を教えていますが、その学生たちとの交流を深めながら、彼らをキリストに導きたいと願っています。12月19日には、その学生たちが上記の「戦没兵士家族会」で配布するパーケージを作る作業に参加してくれました。その翌日(20日)には「本場中国の肉まん料理教室」を行い、中国人の兄であるチェン兄と共に一緒に肉まんを作って食べながら交わり、とても楽しく有意義な時間を持つことができました。(私たちがウクライナに来た経緯と、今もここにとどまっている理由を話すことを通して、私たちの証をシェアすることができました。)この中から関係が強められ、福音を聞いてキリストへの信仰に導かれる魂が起こされるように、続けてお祈りください。
水曜集会では引き続きヨハネの福音書を学んでいます(12月は10−11章を学びました)。イエス・キリストとユダヤ人宗教指導者たちとの対話を通して、イエス・キリストの本当の姿が明かされれば明かされるほど、そのキリストを信じる人々と、逆に強く反発する人々に分かれていく姿に驚かされながら、イエス・キリストの本当のお姿を見る霊の目が開かれ、キリストをますます深く知るものでありたいと強く願いながら学びを進めています。
病院での兵士たちへの訪問も継続しています。あまりにも長く続く戦争の中で、何を信じ、何に頼り、何のために命を危険に晒し続けるのかが本当に分からなくなっている兵士たちがたくさんいます。手足を失って、そこでリハビリを受けている彼らの発する言葉はあまりにも重く、受け止めきれるものではありません。ただ、私たちが語る何かによってではなく、主ご自身が彼らにご自身の慰めと希望を与えてくださることを信じ期待して、この働きを続けています。続けてお祈りください。
12月26日(金)、27日(土)、1月2日(金)、3日(土)の四日間、約60名の「戦没兵士の子どもたち」「戦争行方不明兵士の子どもたち」のためのクリスマス会を教会で行います。どうか、奉仕する者たちがキリストの愛によって強められ、父親を失い、あるいは父親の安否が不明という大きな不安の中にある子どもたちにとって慰めと励ましとなることができるように、お祈りください。
引き続き、HOPEニコラエフ、HOPEオデッサを継続しています。みなさまのご支援に感謝します。
また、ヘルソン方面のポサド・ポクロフスケ教会(アンドレイ牧師)への支援、また、ヘルソンからリヴィウに移り、今はリヴィウに避難しているヘルソン住民たちに伝道と牧会をしているオレグ牧師たちへの支援も継続しています。みなさまの尊いご支援に感謝します。
2025年もウクライナのことを覚え続け、祈り続け、支え続けてくださったみなさまの愛と忍耐と祈りとご支援に心から感謝いたします。本当にありがとうございます。
今、私の心にはこの言葉が繰り返し響いています。「God is good, all the time.」すべてをご存知であり、すべてを支配しておられ、私たちを愛しておられる真実な主の栄光がウクライナの地で豊かに表されますように。
愛するみなさまの上に、主の祝福が豊かにありますように、心から祈っています。
船越真人・美貴
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