【医療特集①】魂に寄り添う「祈るお仕事の人」 久保のどかさん(淀川キリスト教病院パストラル・カウンセラー)

 淀川キリスト教病院(大阪市東淀川区)の医事部で臨床パストラル・カウンセラーを務める久保のどかさんの著書『いのちのそばに―病院の子どもたちと過ごす日々―』が、昨年末いのちのことば社から出版された。NICU・GCU(新生児集中治療室)、小児病棟、こどもホスピスで、子どもたちや家族の「魂に寄り添う」パストラルケアに携わる日々から生まれた思いが綴(つづ)られる。

 障がいがあったり、未熟児で生まれたり、まさに命がけで生きる子どもたちに、久保さん自身が励まされ力づけられ、敬意が湧くと語る。子どもの病状に心を痛める母親の話に耳を傾けるのも大切な仕事だ。ベッドサイドで話したり、チャペルに誘って祈ることもある。医療スタッフも例外ではない。手を尽くしても報われず、無力感にさいなまれることが多々ある。話を聴き、祈る。久保さんはこの仕事の喜びを「子どもたちやご家族、医療スタッフと共に悲しみや喜びを共有できること」だと感じている。
 「みんなでその赤ちゃんのことで喜び、心砕き、祈りを共にする。本当に尊いことだと思います」

 久保さんは、ある母親から「祈るお仕事の人」だと言われたことがある。大学時代に洗礼を受けて、ニュージ ーランドで神学を学んだ。現地で留学生伝道に携わる中で「イエス様の話をするのって、なんて素敵!イエス様にお祈りできるのって、なんて素敵!」と、福音宣教の喜びを知った。淀川キリスト教病院のチャプレン室の仕事を紹介されたとき、「神さまのことを話せる病院が日本にあるなんて凄い」と喜んだ。

 チャプレン室のスタッフとして患者に接し、初めてつまずいた。「祈っても祈っても患者さんは良くならない。そのうち怒りが湧いてきました。神様、何を見てるんですか。この現実をどう思ってるんですか。神様は素敵だと思っていたけど、ちっとも素敵じゃない」
 神への怒りでいっぱいになった。神は何もしてくれない。「賛美なんか、したるもんか」と、日曜日に教会の礼拝でも仏頂面で座っていた。そんなある日、病院の廊下を歩いていて突然気付かされた。

 「なんで人は病気になって苦しまないといけないんだろう、と思っていましたが、そんなこと私にわかるはずがない。病気であろうがなかろうが、神が愛しておられるのは変わらない。どんな状況であれ、神は命がけで愛し、大事に思っておられるとわかったのです。これを握りしめて患者さんのところに行こうと思いました」
 解放された瞬間だったと、久保さんは振り返る。そこから20年。多くの人と出会い、別れ、今小さないのちの向こうに神様を見る日々だ。
【藤原とみこ】

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