キリスト教書店「ジョイフル」閉店 6月から他店が引き継ぎ予定

中山輝夫さんと美代子さん

大阪府堺市で20年あまりにわたって働きを続けてきたキリスト教書店「ジョイフル」が4月末で閉店することになった。最終営業日は30日。

南大阪の玄関口、中百舌鳥駅前にジョイフルが開店したのは2004年11月。単立のチャペル・こひつじ(鷹取裕成牧師)の新会堂の一角だった。
オーナーで店長の中山輝夫さんは、34年の会社勤めのうち27年は海外勤務だったという元ビジネスマン。元気なうちに献身のつもりで新たな仕事に取り組みたいと、定年を待たずに退職し、「救われていない多くの日本人に、キリスト教に触れてもらえるきっかけの場となれば」と、妻の美代子さんとキリスト教書店の経営を志した。「新会堂にキリスト教書店を」と祈っていたチャペル・こひつじの願いを不思議な形で知り、4階建ての新会堂の2階を提供されることになった。
海外駐在中には、孤独感に押しつぶされる駐在員家族に憩いと助けの場を提供することを願って、家庭集会を開いていたという中山夫妻。書店経営の経験はまったくなかったが、「お客様のニーズに耳を傾け、それを第一とする点は会社員時代と変わらない」と献身的に働きを進めた。あちこちの集会に顔を出し、配達にも精を出した。他のキリスト教書店の人から教えてもらうことも多かったという。

昨秋に20周年を迎え、夫婦そろって喜寿を迎えたこともあり、働きを終えることを考えるようになった。しかし、自分たちは会社員生活からの年金で生計を立てられたが、書店経営で生活するのは厳しく、誰かにゆだねるのも容易ではないと思っていた。ところが、京都ヨルダン社が近隣教会への配達も含めて業務を引き継いでくれることになり、肩の荷が下りた。6月からは同じ場所で新しい書店が働きを始める。
【山口暁生】

2025年04月27日号 02面掲載記事)