新型コロナウイルスの影響が世界各地の教会でも依然やまない。(3月15日号で一部既報)
韓国では、政府が宗教集会の自粛を要請したことを受け、1万人以上のメガチャーチは3月中旬か、状況によっては3月いっぱいまで礼拝、祈祷会、教会学校などの諸集会を中止。代わりに礼拝や祈祷会をオンラインに切り替えた。
ソウル市内にあるオンヌリ教会(イ・ジェフン主任牧師)は2月26日から、教会の礼拝堂での公の礼拝と平日での集まりを中止。当初、14日までだったが22日まで延長した。3月1、8、15、22日の主日礼拝は同教会が運営する放送局CGNTVと同教会YouTubeチャンネルを通し、映像礼拝をささげ、早天祈祷会は毎日YouTubeの生放送で提供した。
イ牧師は「愛するオンヌリ教会聖徒の皆様へ」と題した手紙の中で「韓国教会史の中で主日を守ることは信仰的な基準であり、これを守るために大変な苦難を担った信仰の先輩たちがいた。ゆえにこのような決定が、ある方たちには信仰的に退くこと、世に妥協することとして映ることもあると思う。しかし、メディアが普遍化している時代になり、映像ででも同時に共に神様に礼拝を捧げられる状況となり、最善ではないが第二の手段として主日礼拝を守れるようになった。教会が一時的に礼拝と集いを中断することにより、伝染病の拡散がより早く終息することができるなら、これも神様が喜ばれ願っておられることであると信ずる」と語っている。
この決定を受け、東京・新宿区にある東京オンヌリキリスト教会(福澤牧人牧師)も緊急会議を開き、3月1日から15日までの礼拝堂での礼拝を自粛し、映像メッセージを配信しての礼拝に変えることを決定した。
3月までソウルに住み、巡回説教者として各地で奉仕してきた高見澤栄子氏(前トーチ・トリニティ神学校宣教学教授)は、「韓国のクリスチャンの多くは、今は悔い改めの時と受け止めている」と話す。「戦時中でも主日礼拝だけは厳守してきたが、それすら守れないのは事の深刻さを表している。だが、個々のキリスト者が神様との一対一の関係を問い直すいい機会にもなっているのでは。オンラインやビデオ会議システムを使っての小グループや祈り会も広がり、教会に『来る』伝道が主だったのが、SNSや動画配信サイト、家庭集会などで外に『出て行く』伝道ができるようになった。このことは、すべてを益とする神の御業では」とも語った。
シンガポールでは、OMF宣教師でカルバリーバプテスト教会牧師夫人のウォング平出朋美氏によると「政府の迅速な対応で、クラスターを完全閉鎖することで感染は大きく広がることがなかった。だが、アッセンブリーズ・オブ・ゴッド教会で感染者が出、そのシニアパスターが感染したため、数千人規模の大きな教会のいくつかでは礼拝を中止し、オンライン礼拝を続けている」という。「私どもの教会でも、ピーク時は子どもたちと2週間教会に行かず家で礼拝をしていた。出席者はいつもの半分ほど。今もオンライン礼拝と実際の礼拝とが同時進行している。説教を前撮りして信徒がダウンロードし見られるようにしている」。「必要のない恐れから守られるように。教会や学校関係者など大勢集まる場所を運営する方々に、良い知恵が与えられ、危機を乗り切られるように」と祈りを要請した。
フランスでは、国全体に感染者が増える中、2月17〜24日フランス東部アルザス地方の都市ミュルーズで2千500人が集って行われた福音派の集会で感染が広まったとの報道があった。
パリ市内にあるパリプロテスタント日本語キリスト教会の清水正夫氏は「3月4日の国営テレビのネットニュースを見てそのことを知り、驚いた。集会の責任者の話として、皆で祈る時に手をつないでいたとのこと。ただ、改革派・ルター派など伝統的な教会への影響は少ないと見られている」と話す。
同教会は、フランスプロテスタント合同教会(フランスルーテル教会とフランス改革派教会が2013年に合同した教会)のマレ教会の会堂を主日午後の時間を借りて礼拝している。「3月8日の時点では、フランスのプロテスタント諸教会は、感染に注意しつつも、礼拝に大きな変化はないと聞いている。カトリック教会も、ホームページによれば、ミサで『平和の挨拶』の時に握手をしないよう呼びかけているが、ミサは通常通り行われているようだ」と清水氏。「日本語教会は、礼拝者に手指の消毒をしてもらい、礼拝後の食物の提供を中止している。今後、聖餐式の中止などさらなる対応を検討する」と話した。
【中田 朗】
