「福音派諸教会の手で新しい讃美歌集を」と讃美歌委員会を構成し選曲、翻訳、編曲作詞、作曲など編さん作業を進めてきた一般社団法人福音讃美歌協会(JEACS)は7月、『教会福音讃美歌』(発行者・JEACS、発行所・いのちのことば社)を発売した。これからの時代、幅広い世代に歌いつがれる讃美歌集として注目を集めている。JEACSは聖書的福音信仰に立つ諸教団・教派・団体の協力により「キリスト教会における会衆賛美に寄与すること」を目的に05年発足した団体。【中田 朗】
『教会福音讃美歌』は教団教派によらず、日本の教会の礼拝で広く用いられることを目的に編さんされたもので、戦後では『讃美歌』(54年)『聖歌』(58年)『讃美歌21』(97年)『新聖歌』(01年)に続く公用讃美歌集。「歌詞が福音的であること」「礼拝において会衆が声を合わせて歌うのにふさわしいもの」という方向性のもと、収録506曲中、歌詞については従来の歌集からそのまま受け継いだもの約300曲、改訳されたもの約150曲、従来の日本語の歌集になかった海外の歌集から選ばれた新訳のもの約30曲、この讃美歌集のため創作された新曲歌詞のもの約20曲が収められている。
歌い継がれてきた曲は文語を口語訳に移す作業に取り組みつつも古くてもいい歌詞や表現はできるだけ残すよう心がけた。オルガンやピアノだけでなくギター伴奏もできるよう多くの曲にコードをつけるなど、教会暦や諸行事など様々な場面で使える工夫もこらす。
発行に当たり、讃美歌委員会委員長の田中進氏(インマヌエル大宮キリスト教会牧師)は「一つの教団でなく日本同盟基督教団、日本福音キリスト教会連合(JECA)、イムマヌエル綜合伝道団の3教団が協力して讃美歌集を出せた意義は大きい」と語る。「それぞれの信仰を受け止めながら、教派色を出すよりも福音主義信仰に立ち『キリストにあって一つ』となって作業ができた祝福は大きい」。教会では『教会福音讃美歌』を第一讃美歌集とし、同教団発行の『インマヌエル讃美歌』『ひむなる』も併用して使っていきたいと語る。
JEACS副理事長、讃美歌委員会委員の中山信児氏(JECA・菅生キリスト教会牧師)は、日本において新しい賛美を生み出す契機になることを期待する。「今の日本は20世紀イギリスの賛美歌創作ムーブメントが起きる直前の状況に似ている。時代が絶えず移り変わり言葉も変化している中、歌い継がれてきた賛美を現代の言葉に置き換え次世代に引き継ぐと共に、日本人がこの国の現場で福音に立った創作賛美歌をどんどん生み出すための受け皿として用いられることを願っています」
歌詞の新訳・改訳作業に携わった齋藤一誠氏(JECA・浜田山キリスト教会員)は、「現代の言語感覚と親和性をもつ簡素で深い意味を湛えた言葉遣いを心がけたが、それが信仰の歌声としてどう歌われるのか、手にとって確かめてほしい」と語った。
JEACS代表理事の安藤能成氏(同盟基督・世田谷中央教会牧師)は、讃美歌セミナーや『教会福音讃美歌』の賛美を歌う会といった活発な啓発活動を通じ、JEACS正会員の3教団以外の教会、神学校、キリスト教主義学校にも広がっていくことを期待する。
11月12日には「『教会福音讃美歌』奉献礼拝」(JEACS主催)が午後7時から、東京・世田谷区奥沢の玉川聖学院で開催される。また「教会福音讃美歌セミナー」(お茶の水聖書学院主催)の第3回目が10月27日午前10時30分から、東京・千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャン・センターで開かれる。
問い合わせはL03・5341・6920。
