信者の子らの苦悩がより深刻 豊田通信(日本基督教団小田原教会 牧師)3人に聞く④ 「解散命令」と信仰

3人に聞く④ 「解散命令」と信仰

オウム真理教に強制捜査が入った後、子どもたちが児童擁護施設等に「保護」された時のことを振り返っています。あの時、私はこう思いました、「もう安心だ、子どもたちは救われた」と。けれども、それが間違った認識だったことに、ずいぶん後になって気付きました。

確かに子どもたちは、身体的な安全が保障される環境に迎えられました。しかし、子どもたちの心は、オウム真理教が空想した世界の中になおも生きていたのです。その子どもちは、社会全体が敵になり自分を拒絶しているように感じてしまう世界に突然放り出されました。どんなに不安だったでしょうか。混乱したでしょうか。怒りや理不尽さを感じたことでしょうか。 子どもたちの中には、オウム真理教による数々の犯罪行為を知って「仕方ない」と考えた者もいました。しかし、頭では分かっていても、感情は違う叫びを上げていました。

その犯罪行為の代償をなぜ自分が、自分の人生において支払わなければならないのか? なぜ自分が偏見にさらされ、苦しみながら、隠れるように生きなければならないのか? 私たちはかつて、カルト団体による被害者、その信者「個人」の心を見つめ寄り添う務めに召し出されていることを忘れて、ひとつの宗教「団体」の崩壊に安堵(あんど)してしまったのではないでしょうか。

本年3月25日、東京地裁で世界平和統一家庭連合(旧統一協会)を解散する決定が出されました・・・