《特集フォーカス・オン》対話④ 固定化した〝真理〟を「対話」で探求する
《特集フォーカス・オン》対話①「正しさ」の応酬から抜け出す 《特集フォーカス・オン》対話② 異論を否定しない「紛争解決」の秘訣 《特集フォーカス・オン》対話③…
《特集フォーカス・オン》対話①「正しさ」の応酬から抜け出す 《特集フォーカス・オン》対話② 異論を否定しない「紛争解決」の秘訣 《特集フォーカス・オン》対話③…
本書のテーマと直接つながるわけではありませんが、教会の誤った権威主義、カルト化や各種ハラスメントの温床となりうるものゆえに、教会全体の意識改革は喫緊の課題です。たとえば「壮年」、「婦人」、「青年」、「子ども」という区分、教会員の男女別統計の是非などはオープンに議論されてよいテーマとも思います。 牧会的視点の重要性 第六に「牧会的視点の重要性」です。自らゲイであることをカミングアウトしつつ「伝統」を重んじるウェスレー・ヒルの「霊的友情」の主張や、同じく「伝統派」のスティーブン・ホームズが結論で示す「牧会的便宜」の主張は重要であり、それらが実現可能かの具体的検討とともに、そもそも「牧会」概念の内実を問う作業を繰り返す必要があるでしょう。牧会的な「便宜」や「配慮」のつもりが実際には善意に基づく偏見や誤解を正すことなく、かえって増幅させる恐れがあることや、当事者性を無視・排除したかたちで教会の自己満足に着地するような事態は避けなければなりません。 評者がかつて自らの性的指向について悩むクリスチャン家庭の若者から聞いた言葉は忘れられません、、、、
新刊『「同性愛」二つの見解 聖書解釈をめぐる対論』の朝岡勝氏による書評の3回目。 前回 「同性愛」と聖書解釈〈2〉 聖書の規範性と時代的制約 解釈者自身に潜む…
キリスト教史を概観してみると、「唯一にして聖なる公同の使徒的教会を信ず」(ニカイア・コンスタンティノポリス信条)と告白してきた一方で、古代教会におけるキリスト論論争や三位一体論争、東西教会の大分裂から16世紀宗教改革、そしてプロテスタント教会においては絶えず神学的論争とそれによる教派の分裂や独立が続けられてきました。そこでは絶えず「何が正統的な信仰か」「何が使徒的な信仰か」「何が聖書的な信仰か」が中心的な論点となってきました。論点が信仰の核心に近づくほど論争は熱を帯び、先鋭化し、教会の中に大きな亀裂を生じさせることもありました。事柄が「真理」に関わるものであれば安易な妥協は許されず、徹底的な議論が続けられたのです。プロテスタント教会が信仰義認論を「教会にとって立ちも倒れもする教え」と強調したのもその例と言えるでしょう。