2025年8月6日

地元横浜の高校の女子生徒が大使館付武官と一緒に献花（撮影場所cwgc英連邦戦没者墓地） 今年も「英連邦戦没捕虜追悼礼拝」（同実行委員会主催）が８月２日、神奈川県横浜市保土ヶ谷区の英連邦戦没者墓地で開かれた。日中、35度に迫る猛暑の中、日本軍の捕虜となり、日本で亡くなった英連邦軍人らを追悼した。【中田 朗】 ◇ ◆ ◇ 第31回目の今年は、マッテヤ大森明彦氏（日本聖公会東京教区司祭）が、ルカの福音書13章24節から「平和を求める『狭い戸口』」と題し追悼の辞を述べた。「この追悼礼拝は、敗戦50年を機に1995年に始まった。ここに眠る1,800余名の方たちを追悼し、日本の犯した過ちを謝罪し、和解と平和を願うためだ。この方たちは戦争が終われば帰国できるはずだったが、戦争捕虜として日本本土に移送され、重労働を課せられた。この礼拝が最も暑い季節の11時に行われるのは、捕虜の方たちが炎天下で立たされた痛みを経験するためだ」 「追悼礼拝は私たちに与えられた『狭い戸口』だ」と大森氏。「私たちは犠牲者たちの墓の前で良心を自覚し、被害者に謝罪し、和解を願い、共に平和を求めて歩む決意を新たにする。弱い立場の人たちの苦しみの上に成り立つ『見せかけの平和』にノーと言える勇気を持ち、苦難の生涯を耐え抜いたイエスに従い、呼びかけ人たちの志を受け継ぎ、勇気をもって狭い戸口へ向かいたい」と決意を語った。 マッテヤ大森氏（左）と渡氏（撮影場所cwgc英連邦戦没者墓地） 続いて、実行委員会青年代表の渡健太郎氏が「戦争を生み出すものとは」と題して挨拶。「追悼礼拝を始めた人たちはもういないが、幸いに続けることができている。今も続けられるのは、私たちの謝罪に向き合ってくださる英連邦各国、オランダ王国の大使館関係者の方々の理解と、参加者の皆様のご理解によるもの」として謝辞を述べた。 また、「『他者に対する敵意』をこの追悼礼拝で学んだ」と渡氏。「日本兵の多くは『敬意』ではなく『敵意』をもって捕虜たちに接し、おびただしい数の人が死んでいった。普通に暮らす私自身にも、他者に対する敵意があることに気づく。この気づきから、敵意を戦争へと発展させないよう自分を戒め変えることが始まる」 「私たちは戦争へと至るすべての要因を排除していく。そのいちばん小さいものが、自分の中の敵意だ。その敵意を手放すことを学びたい。その手助けになるのが追悼礼拝だ」と語った。 当日は来賓としてオーストラリア、カナダ、イギリス、オランダ、ニュージーランドの大使館付武官、英国在郷軍人会東京支部副議長が参列した。追悼礼拝後、参加者らは各国の墓地を回り、納骨堂や戦没捕虜たちの碑の前に献花した。献花には、地元横浜の高校生らも参加。各国大使館付武官と一緒に花輪を捧げた。 実行委員会代表の奥津隆雄氏（飯能ホライズンチャペル牧師）は、「世界各地では戦争が続き、分断も深刻になってきており、日本も例外ではない。このような場がますます重要になってくる。そんな中、皆様と平和と和解の時をかみしめることができたことを、心から感謝すると共に、ここから遣わされ、それぞれの場で平和をつくり出す者になってくださることを願っている」と結んだ。 「英連邦戦没捕虜追悼礼拝30年記念誌」（右）と別冊 今回の追悼礼拝に合わせ、同実行委員会は『「英連邦戦没捕虜追悼礼拝」30周年記念誌─私の戦後80年─』と別冊『捕虜たちの声なき声に耳を傾けて』（共に頒布価1,000円）を発行。記念誌には、第1章「私の戦後80年」に牧師や報道関係者、高校生など7人が寄稿。第2章は第21回から30回までの追悼礼拝の記録を掲載している。別冊では、連合軍捕虜・抑留者の調査をしてきたＰОＷ研究会（田村佳子、笹本妙子）執筆による、墓地に眠る捕虜たちの横顔と最期の様子が記されている。希望者はEメールtakaookutsu414（@）icloud.com、奥津まで。※（@）を@に 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-bl48usckwrjsaf6n/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-a68u9fyftyvmiwcu/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-3uxh8z9vtywdmqvn/ 【リニューアルのご案内】 以下リニューアルのご案内です。電子版購読中の読者の方につきましては、２か月としていた移行のための無料期間を【３か月】（9月末まで）といたします。 リニューアル号2025年7月より 2025年7月より 電子版：速報・詳報記事を随時掲載 紙面ビューアー ※バックナンバー閲覧可能 紙版：月2回発行 ■購読料 紙版（送料込） 月額1,226円（オンライン申込・限定クレジットカード支払いのみ） ６か月6,756円※本紙代が10％お得です 年額1.3512円※本紙代が10％お得です 電子版 月額900円(税込) 年額10,300円(税込) ※毎月払いより約5％お得です 紙・電子併読版（紙版の年額＋2500円で電子版併読が可能です） 月額1,400円(税込) 年額16,000円(税込)※毎月払いより約5％お得です ■リニューアル記念購読キャンペーン（受付期間：7月1日～10月31日） ・キャンペーン期間中、新規年間購読（紙・併読、電子）の方には、柏木哲夫著『幸せのかたち』をもれなく贈呈（書籍はご入金確認後、発送は９月末以降を予定しています）。 ・新聞の無料試読特典（紙版1か月、紙・電子併読1か月、電子版2か月）がございます。 ■電子版購読済みの方 現在の購読プランを【3か月間】（※変更）の無料期間に自動移行させていただきます。 (無料期間：2025年7月1日～【9月30日】（※変更）まで) 大変お手数ではございますが、決済方法の変更のため、 無料期間のうちに下記の新ご注文受付サイトより、 ご希望のプランの再注文手続きを頂けますようお願い申し上げます。 ※無料期間中のご注文の場合、最初の課金日は無料期間終了後の10月1日になります。 ※無料期間中のプラン変更(電子版→併読版など)は、無料期間終了後に反映されます。 ■新ご注文受付サイト（新サイト開設と同時に開設） https://クリスチャン新聞.com/start-checkout/

2025年8月6日

広島・流川教会で平和の祈り　小倉桂子さんが被爆証言

広島でキリスト者ら合同で祈る　原爆の日　戦後80年

【書評】原爆は「仕方がない」か　親から子へ継ぐ問い　『ヒロシマを次世代に語り継ぐ』評・濱野道雄

「敵意を手放す学び場に」青年ら　英連邦追悼礼拝で

日	月	火	水	木	金	土
					1	2
3	4	5	6	7	8	9
10	11	12	13	14	15	16
17	18	19	20	21	22	23
24	25	26	27	28	29	30
31

広島・流川教会で平和の祈り 小倉桂子さんが被爆証言

広島でキリスト者ら合同で祈る 原爆の日 戦後80年

【書評】原爆は「仕方がない」か 親から子へ継ぐ問い 『ヒロシマを次世代に語り継ぐ』評・濱野道雄

「敵意を手放す学び場に」青年ら 英連邦追悼礼拝で

広島・流川教会で平和の祈り　小倉桂子さんが被爆証言

広島でキリスト者ら合同で祈る　原爆の日　戦後80年

【書評】原爆は「仕方がない」か　親から子へ継ぐ問い　『ヒロシマを次世代に語り継ぐ』評・濱野道雄

「敵意を手放す学び場に」青年ら　英連邦追悼礼拝で