「熊本支援の首都圏連絡会」で中村氏 被災体験語る 下から突き上げるような揺れが

日本福音同盟(JEA)援助協力委員会(松本順委員長)は、首都圏にある教会が熊本地震で被害を受けた教会を支援しようと5月5日、「熊本支援の首都圏連絡会」を、東京・千代田区神田駿河台のお茶の水クリスチャン・センターで開催。現地で支援活動を行う九州キリスト災害支援センター(以下・九キ災)熊本支援ベースディレクターの中村陽志氏(トータル・熊本ハーベストチャーチ牧師)が、自身の被災体験を語った。当日は、すでに現地を訪問し、支援活動を行っている首都圏の牧師や支援団体スタッフ、これから支援をしようと考えている教会や教団の代表など20人が集った。

中村氏は、4月14日の最初の地震後に本堀秀一氏(アッセンブリー・希望ヶ丘キリスト教会牧師)、中出牧夫氏(熊本ナザレン教会牧師)と共に「この地震に対して協力体制を取ることはできないかと話をし、義援金窓口を開設し、熊本地震支援センターを発足させた」と語る。
18日には「九州全体で熊本支援を考え、協力体制を再構築しようと福岡の横田法路先生(油山シャロームチャペル牧師)が声をかけてくださり、佐味健志先生(バプ連・博多キリスト教会牧師)と宮内誠二先生(福岡福音自由教会牧師)と共に九キ災を立ち上げることができた」と話す。
「“九州”という言葉が意味するところは、九州はどこで災害が起きてもおかしくないということ。阿蘇、桜島など活火山が活発に活動をしている。今回、熊本で大きな災害が起きたけれども、これを教訓として協力体制を取り、どこで災害が起きても動けるよう協力体制を築こうということで、このような形になった」と報告した。DSC_0065
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自身が被災者でもある中村氏は、地震発生時のことをこう振り返った。「小学校5年生の三女が2階で休み、子ども会の会議から戻ってきた妻と1日あったことを話していた9時26分頃、下から突き上げるような揺れが起こり、続いて横揺れがあって、家中の壁にかけていた写真がバタバタ落ちてきた。2階では三女の泣く声がした。何とか娘を抱え、3人で逃げ出した。何度も余震が続いたので家の中に入ることができなかった。近所の方が、家の倉庫からキャンプ用の椅子を出してくれ、それに座って余震が収まるのを待っていた」
1、2時間後、ショッピングモールでアルバイトをしている次女が避難していると、SNSを通じて知らせがあった。しかし、「顔を見ないと心配なので、バイト先まで車を走らせました」。約200人の従業員はみな駐車場に避難し、モールの中には入れない状態。暗がりの中、やっと次女を見つけて車に乗せた。教会を見に行こうとしたが、「ハンドルが取れないほどの余震があり、行くのを諦めて家に戻った」。結局、近所の人と相談し、毛布と布団を車に積んで避難所へ行った。
「益城町が大変な状況だ」と教会のメンバーから知らせがあった中村氏は翌朝5時に、コンビニエンスストアでオムツや生理用品などたくさんの物資を購入し、益城町へ車を走らせた。現地では「倒壊した家々、放心状態で道に立っている人々を見て、本当に胸が張り裂けるような気持ちになった」という。600人が避難していた体育館では、携帯電話の充電、支援物資の仕分けのボランティアをした。
教会は、次の聖日が教会の14周年記念礼拝ということで、「足の踏み場のない状況だったが、メンバーの方々が1日かけてきれいに片付け、掃除をしてくださった」DSC_0086 URL https://www.facebook.com/kumamotoshien/
「これで14周年が迎えられるね」とみんなで祈って、帰途についたが、その夜、16日午前1時25分頃、熊本全域に大きな被害をもたらした震度7の本震があった。「下からドーンと突き上げるような揺れがあり、家中の家具が壊れ、食器が落ちる音がした。娘達が泣き叫んでいるが行くことができない。とにかく、外に出なさいと言い、庭で再会した」。その夜は、ブルーシートの上に布団を敷いて寝ていたが、「地面の底からゴーッという恐ろしい地鳴りの音がして、ゾッとした。その夜は一睡もできなかった」。
17日の日曜日は、礼拝出席者70人のところ十数人が車でかけつけ、14周年記念礼拝をもった。翌日、妻の運転で何とか支援の会合のため油山シャロームチャペルへ。その帰り道、「車の中で賛美をしながら、ボロボロ涙が溢れてきた」。
「それからは怒濤の日々だった」と中村氏。「いろんなところから物資が届いた。水が必要だと言ったら、大量の水が届いた。会堂は支援物資であふれ、すぐに避難所に運ばれた。ボランティアの方もいろんな所から来てくださった。救世軍は益城中学校で、おいしいラーメンを出してくださった。ゴールデンウィーク中は200人ものボランティアの方々が奉仕をしてくださっている。その中には、東北や海外からもたくさん来て活動している」
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「神のなさることは、すべて時にかなって美しい。神はまた、人の心に永遠を与えられた。しかし人は、神が行われるみわざを、初めから終わりまで見きわめることができない」(伝道者の書3・11)。被災地を回る時、この御言葉がずっと頭の中にあったと言う。「東日本大震災の時、東北に自転車を100台贈るというプロジェクトをした。女川の牡鹿半島の小さな村に運んだ時、村の人たちが泣いてくれた。今回地震が起きた2日後に、村長さんが『明日、息子と娘と一緒に行く』と連絡くださった。神様のなさることは時にかなって美しい。改めて神様に従っていこうと決意を新たにしていこうとしているところです」と語った。
中村氏は祈りの課題として、①被災した人々・町の回復と癒し、②熊本・九州の教会の一致のため、③教会の癒しと復興のため、④経済的な必要のため(5月末までの当面の必要 千200万円)、⑤ボランティアの働きのため、⑥熊本支援ベースの場所の確保、を挙げた。
【支援献金口座】ゆうちょ銀行 記号17410 番号89238981(九州キリスト災害支援センター)