熊本・大分地震から1年 地元の教会では② 今も働き手必要 どんどん来て 九キ災 ちょこボラ募集中

 熊本・大分地震から1年を迎えた4月14日から16日まで、記者は被災地の熊本県を訪問。地震直後、九州の教会が一丸となって熊本、大分の教会を支援しようと立ち上がった「九州キリスト災害支援センター(九キ災)」は、これまで最も被害の大きかった益城町などにベースを置き、支援活動を行って来た。九キ災熊本ベース看護師の山中弓子さんに今の熊本の現状を聞いた。
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 「1年経たったが、やっと1年という感じ。仮設で暮らしている方も、みなし仮設で暮らしている方も、まだまだ復興、再建の途中。精神的な支援は継続して必要だと思います」DSC_0347
 熊本県内には、約4万7千人が今も仮設住宅で暮らしている。だが、「何年後に全員出られるのか、といった感じです」と将来への見通しに不安を募らせる。「災害復興住宅も益城町に300戸しか建てられないので、希望者が全員入れるわけではない。自分の土地に地盤の関係で建てられない方もおられ、再建の見通しが立たない。仮設には入らず、納屋で暮らしている方、壊れた家の片隅で暮らしている方もあり、いろんな不安を抱えています」
 九キ災では県内の4仮設を担当。町の役場の復興課から委託され、自治会の支援に入っている。また、担当でない他の仮設でも、NPO、ボランティア団体などと連携し、看護支援やコンサートなどを行っている。
 16日、約500世帯、千300人が暮らす県内最大のテクノ仮設の集会場で、福音歌手の森祐理さんのコンサートが行われた。だが、集会場に集まったのは30人ほど。「今日はまだ集まったほうです」と話す。「家も仕事もなくなった東北とは違い、熊本では仕事を失った方ばかりではないので、若い人は日中、解体前の家の片付けや仕事に出て行く。元気な高齢者もここから畑仕事に出かけて行かれるので日中、留守の方が多く、イベントやお茶会をしても参加者が限られる。普段、会えない方も多いので、安否確認しにくいという難しさがあります」DSC_0367
 この1年で、九キ災の主な奉仕内容も変わって来ていると話す。「震災当初は、物資を運ぶことと、倒壊した家屋やブロック塀の片付けが主だった。これからは看護部が行ってきた心のケアがより重要になってくる。お茶会やサロンについては各支援団体が個々に行っているが、子どもケアについては対応が追いついていない。学校から帰ってきても、遊んだり宿題をするスペースが仮設内には整備されておらず、見守る大人もいない。いろんなストレスを子どもたちは抱えています」
 「1年経っても必要がいっぱいあって、人手が足りないのが現状です。ぜひ働き手にどんどん来てほしい」と訴える。
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 九キ災では、「ちょこボラ(ちょこっとボランティア)」を募集している。
 特徴は、①より参加しやすく(半日コース)、②よりわかりやすく(時間とスキルに合わせた支援への参加)、③より地域に寄り添う支援(お茶買い、子どもケア、趣味サークルなど)、④より魅力的に(初めての方にCD「キセキ」贈呈、希望者にボランティア活動証明書を発行)IMG_2456
 スタッフの諸藤栄一さんはこう参加を呼びかける。「これまでのボランティアは、家屋の片づけと言ったヘビーなイメージが強い。でもこれからは力仕事ばかりでなく、心の支援が必要。1時間でも2時間でも、仮設の方々とお話相手になったり、お茶をして関わったり、子どもたちの遊び相手になるなど、4月から試験的に、5月から本格的に行っている。教会の中で覚えてもらい、関わりをもっていただけたらと思います」
 詳細は九キ災のウェブサイトURL http://kysyuchristdrc.wixsite.com/kumamoto から。
【中田 朗】