ラグビーW杯・オリンピック/パラリンピック伝道キックオフ大会③ スポーツ宣教師ウッズ氏 「何をするかより何が残っているか」

マーティ・ウッズ氏

2019年にラグビーワールドカップ、20年に東京オリンピックと、スポーツイベントが連続開催される日本。この機会を最大限に生かそうと、「2019年ラグビーW杯・20年オリンピック/パラリンピック伝道kickoff大会」(日本国際スポーツパートナーシップ〔JiSP〕主催)が3月12日から14日まで、神奈川県横浜市栄区の上郷森の家で開催。世界でスポーツミニストリーを展開する宣教師たちも来日し講演。今回はマーティー・ウッズ氏の講演を届ける。


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世界中のメジャースポーツの大会で伝道の働きを続けて来たオーストラリア人のウッズ氏は、今年9月には再来日し、2020年の東京オリンピックが終わるまで日本に滞在するという。


最初にウッズ氏は、「19年、20年に何をするかというよりも、その後に何が残っているかが大事」と強調する。「確かに、メジャースポーツの大会であちこちに行けるのは、すばらしい主の特権だ。しかし、大事なのは何を残すのか、レガシーは何かということ。若い頃はイベントで何をするかを考えることに集中していた。シドニーオリンピックでは、120のフェスティバルをして100万人が集まり多くの信仰決心に招くことができた。多くの人から『いい働きをしたね』と称賛された。でもその後、地元の教会は何もしなかった。それを聞いてがっかりした」


「この働きはプロセスが大事だということに気が付いた」とも言う。「そのプロセスにはいくつか鍵がある。最初に御言葉、そしてビジョン。次に何ができるかを考える。ビジョンを握って諦めないことが大事。私は『祝福してくださるまで、あなた(神)を放しません』と祈ったヤコブが好きだ。私も日本が変えられるまで、この祈りを止めない。幻のない民は滅びる。だから、ビジョンを強く握りましょう」


「日本は難しいと言って、ストレスをためることはないか。札幌で出会ったある牧師の妻は、日本人に福音を伝えることは難しいことではないと言っていた。ただ、周りの人とつながる橋が欠けている、と。彼らは本当に飢えている、ただ神の御国に触れたことがないだけだ。だからこそビジョンが必要。19、20年というすばらしい機会に、皆さんはどんなビジョンをお持ちですか」


アルバニアでのケースを紹介した。「アルバニアの人々に福音を伝えるというビジョンを持った4人から始まった。彼らは地域のため、国のためなら何でもしたいと願っていた。地域社会とつながるということをいつも大切にしていた。この働きは5年後に500人の若い人たちを巻き込みトレーニングする働きに成長しました」


次に大事なのは、「町ごとにチームをつくる」ことだと指摘。「16年のリオオリンピックの時は、ブラジルを870の地区に区分し、360の都市にチームが作られた。私はブラジルで一人の女性をトレーニングした。彼女はその後3千人をトレーニングをした。彼女を通して、ブラジル中にフェスティバルが盛んに行われ、さらに南米へと広がっていった。チームをつくり、ビジョンを共有すると、さらに膨らんでいく。チームは霊的に成長し、様々な賜物を持った人たちが加わり、次の世代にバトンを渡していく必要がある。このようにしてチームは前進していくのです」(つづく)【中田 朗】