「4/14の窓」関西フォーラムから

4歳から14歳の世代への伝道と信仰成長を推進する「4/14(フォーフォーティーン)の窓運動」。これを関西で進める関西フォーラムサーバントチーム主催の関西フォーラム2021「会いたかった! 君に!」が、10月30日に開催された(11月14日号既報)。多様な分科会の内容を伝える。

分科会1 「中高生のリアル」 hi-b.a.関西責任者 北口美喜さん

求められる「親身に相談にのる教会」

分科会「中高生のリアル」は、hi-b.a.スタッフの北口美喜氏からお話しを聞きました。冒頭ではマタイ18章、99匹の羊のたとえ話から、教会に来ている中高生の数は多くはないが、その一人一人に目を向けることの大切さが語られました。

hi-b.a.でもコロナの影響で今まで出来ていた活動が制限され、難しい状況であることをシェアして、困難の中で試行錯誤している様子も伝えられました。

分科会の中で近くの方とそれぞれの教会での状況を話し合う時間があり、難しい状況の中で工夫されていることを分かち合うことが出来ました。少人数で分かち合ったことを全体で発表する時間もあり、ある教会からは「お笑い研究所」を教団キャンプの有志で立ち上げ、お笑いを研究して、子どもたちと一緒に楽しむ工夫をしていることが紹介されました。ある教会では、子どもたちと個人的につながることを大事にしているというお話も共有しました。

後半ではKGK(キリスト者学生会)の調査から、若者が教会へ行かなくなった理由が述べられました。その中で印象的だったのは「行ってもメリットが無いから」、「メッセージの内容がわからないから」という回答でした。もちろん教会は「メリット」を求めて行く場所ではありませんが、若者が教会に行くことで「何か」を得られる、持ち帰れるような要素を考えていくことも必要だと気付かされました。

「(若者にとって)理想の教会は?」に対する回答では「世代を越えたアットホームな教会」、「親身に相談にのってくれる教会」を求めているということから、私たち大人が若者のために出来ることも少し見えた気がしました。

今回の学びを通して私たち大人が彼らの目線に立ち、中高生が受け身になるだけではなく、積極性を生み出していける環境を、トライ&エラーを繰り返しながら構築していく事で、安心して聖書の語られる場所に身を置く事が出来るのではないかと感じました。(参加者レポート)

分科会2「スポーツミニストリー」 イムマヌエル堺キリスト教会牧師 蔦田聰毅さん

あらゆる垣根越える力ある

最初に、講師の蔦田牧師がこれまでどのようにスポーツミニストリーに関わって来たのか説明があった。

「日本国際スポーツパートナーシップ(JiSP)」が、日韓ワールドカップ開催から「スポーツネット」というスポーツ宣教の働きにより始まって、今のJiSPになったことや、最近の動きでは、東京オリンピック2020に向けて準備がされてきたが、コロナ感染拡大の影響で働きに多くの制限がある中、『スポーツバイブル』という伝道小冊子を発行し、配布することができたことなど。

また、個人としては、地域の少年サッカークラブや、小学校でボランティアでコーチをし、同時にプレーヤーとしても社会人のサッカーチームに所属している。それらのことで地域の方々と良いつながりを持っている。たいていの場合、直接に福音を語ることはできないが、スポーツはあらゆる垣根を越える力を持っているので、普段教会に足を向けることのない人たちと友だちになることができ、多くの人たちと良い人間関係を築くことが可能であることの経験を語られた。

他方で、キリスト教会では一般的にはスポーツはあまり歓迎されず、むしろ否定的に捉えられてきたような印象があることを指摘した。

たとえばスポーツイベントの多くは日曜日に行われることが多く、スポーツに熱心な人たちや、運動系クラブ活動に入っている子どもたちは、礼拝や教会学校に参加できないため、スポーツは神から人々を引き離す存在のように思われがちである。また、スポーツを通じての宣教は、人間関係づくりから入るため時間がかかり、すぐに実を結ばないことも多い。
けれども、スポーツは神が教会に与えてくださった宣教のための良き手段となり得るので、まず、自分が何かスポーツイベントやクラブに参加し、関係づくりに励むことから、その第一歩を踏み出すようにとの励ましをもって講義を結ばれた。(レポート=船橋誠)

分科会3 「性と恋愛をオープンに話せる教会を目指して」 「小さないのちのドア」施設長 西尾和子さん

大人がセーフティネットに

「皆さんの教会は恋愛や性についてお話しできていますか?」という問いかけから、子どもたちにどのように、どんな時期に性と恋愛を伝えるか、オープンに話すためにどんな準備が必要かを語った。

まず日本の子供たちの現状を数字で提示した。1日に子どもの自死が1・3人。15歳から24歳の自殺率は先進国でワースト1位だ。2030年のユニセフの調査では幸福度は38か国中20位となった。

2020年の厚労省の調査では、人工妊娠中絶は10代が最多で、16歳から49歳の6人に1人が経験者だ。中絶で女性は深く傷つき、7割以上の人が罪悪感で苦しんでいる。青少年の性感染症も増加している。子どもの虐待死は週に1人。その半数は0歳児だ。加害者の96%が実母が関与している。

これらのデータから、自分の価値や生きる意味を見出せない若者たちの姿が見える。
「あなたは大切な存在、価値あるかけがえのない一人だと、大いに発信していくことがクリスチャンである私たちの役割だと思います」

性といのちの大切さをどう伝えるか。
「自己を肯定し、いのちの大切さを知るために、誕生を肯定してほしい。そして、心と体、霊性、社会性のアンバランスな思春期は、自立に向かう大切な時期。この時期を大人は支え、神様の価値観で恋愛とセックスの大切さを伝えてほしいのです。100%祝福を受けるためには、自分も相手も大切にして大きく愛を育てること。神様の語られる、本当に大切な人と“一体となる”ということは全身全霊の一致ということ。行為の先にあるのは、いのちを生み出す可能性もあるということも伝えなければなりません」

性と恋愛をオープンに話すためには大切なのは関係づくり。子どもたちが小さな時から定期的に語り続けることから始めていく。教会の大人がセーフティネットになり、どんな相談もありのまま受け止め、ジャッジするのではなく信仰の友になってほしいと結んだ。【藤原とみこ】

分科会4「CSお悩み相談室 ~クリスチャン2世について考えよう~」 ミニストリーつむぐ主宰 老松望さん

親の思いがプレッシャーに

関西フォーラムサーバントチーム担当で行われたこの分科会は、サーバントチームから「DJピーチ」こと小寺桃子さん(MB教団スタッフ)、お悩み相談者として太田真実子さん(石橋キリスト教会副牧師)、質問回答者として老松望さん(大阪聖書学院講師、ミニストリーつむぐ主宰、元KGK主事)の三人による人気ラジオ番組の公開収録という設定で行われた。

最近になってテレビで宗教2世がテーマの特集番組が組まれたこともあり、特殊な環境下に置かれているクリスチャン2世について理解し、教会教育を考える必要もあるのではないかという問題意識から、この分科会が設置された。

出演者たちの経験から、幼少の頃に「日曜日何してた」と友だちに聞かれて返答に困ったことや、自分で選んだわけではない環境の中で両親の空気を読まなければならないことなどが「嫌だったこと」として挙げられ、リアルな声に会場もわいた。

また1世である親が通ったのと同じ経験をして救われるはずだと無意識的に思われていることが、2世にとってプレッシャーやコンプレックスになることなどもあり、今子どもを育てている自分自身も気を付けなければならないと感じていることなどが分かち合われた。
部活動の問題にも触れ、日曜日に活動が入るような部に入らないようにと促す親に対し、自分の居場所を奪おうとしていると感じてつまずいてしまうことがあるケースが紹介され、子どもの気持ちに本気で向き合うとはどういうことかと問題提起がなされた。

集会の最後には、会衆から質問や感想を募る時間があり、普段聞くことができないリアルな声から、自分が向き合うべきことを教えられたなどの感想が述べられた。これからも、実際の次世代の声を聞くことを怠らずに、教会全体でこの問題に向き合っていく必要がありそうだ。(レポート=大澤恵太)