

やすらぎの介護シャローム(大阪府堺市)が、今年堺市と大阪市に、新たに有料老人ホーム『晴れる家7号館・堺市駅』『晴れる家8号館・遠里小野』を開設する(12月オープン予定)。それに先立ち、シャロームが提唱してきた教会と共に学び共に進む「教会協働」の一環として、6月16日にスピリチュアルケアについて考える講演会が、大阪市阿倍野区の都シティ大阪天王寺で開かれた。講師は元淀川キリスト教病院チャプレンの藤井理恵氏。「スピリチュアルケアを考える~病院チャプレンの働きより」をテーマに、キリスト者だからこそ実践できるケアについて語り、約120人の教会関係者らが耳を傾けた。
初めにシャローム株式会社の俣木泰三会長が挨拶に立ち「25年前の起業のとき、人間にとって恵みと平安が一番幸せかなと、シャロームと名付けました。これまで多くの人を看取ってきましたが、最期を迎える人にとってまさに、シャロームをもたらす霊的支えの大切さを実感しています」と、語った。
藤井氏は、人は神によって創られ、生かされている存在、すなわちbeingであるということを手掛かりに考察を進めた。人は事を行えなくなったとき、すなわち死を目前にしてdoingで生きられなくなったとき、無力なbeingであることがあらわになる。スピリチュアルケアとは、そんな傷む人と、同じくbeingであるキリスト者が、キリストにある死生観と価値観で寄り添い、ときに支え合うことだと説明した。
「患者さんと神様の間に何が起こるか、私たちにはわかりません。大切なことは神様を信頼して、ゆだねつつ、祈りつつ、共にあることです」
シャローム株式会社の俣木聖子副会長は、25年を振り返り「苦労すればするほど恵みがしみる日々。神様がおられるからこそのシャロームでした。これから新しい2施設を開設します。どうか神の御業が花開くように祈ってください」と、呼びかけた。
俣木泰和社長は「シャロームと教会がつながり励まし合うことで、福音の力が拡がっていくことを願っています」と、挨拶した。
【藤原とみこ】
