2023年10月のイスラム組織ハマスによるイスラエル攻撃以降、イスラエルはその反撃を、ハマス以外にも拡大し、6月にはイランへの空爆にも及んだ。イラン国内は混乱と恐怖に包まれ、民間人の犠牲が相次ぎ、首都テヘランからは多くの市民が避難している。政府による監視や弾圧が強まる中、イラン国内のキリスト教徒をはじめとする少数派はさらなる危機に直面している。一方、国外のイラン系キリスト教徒は、政権交代への希望と、戦争の長期化への不安を抱えつつ、祈りと支援を続けている。戦争と信仰、自由への希求がせめぎ合うイランの状況を、本紙提携の米国誌「クリスチャニティトゥデイ」が6月23日報じた(https://www.christianitytoday.com/2025/06/israel-iran-war-attack-christian-diaspora/)。抜粋要約する。
イスラエルの攻撃はイランのキリスト教徒に恐怖と希望をもたらす
ジル・ネルソン
国外在住イラン人の多くは政権交代を望みながらも、祖国と地下教会への打撃を懸念している。

イスラエルが6月13日にイランを攻撃して以来、シャーロク・アフシャールさんは、イランに住む教会の信徒たちのことを心配している。元イスラム教徒で、米国初のイラン系キリスト教団体「イラン・キリスト教徒連盟」の創設者でもあるアフシャールさんは、現在、6カ国から集うペルシャ語を話す会衆を、オンラインで牧会している。
イスラエルの攻撃で数百人の民間人が命を落とし、数千人が首都から避難する中、アフシャールさんの教会の信徒の一人はテヘランに留まることを決めた。そのアパートに残ったのは彼女一人であり、恐怖と苦しみの光景を彼に語った。
政府は人々の電話を盗聴し、路上で人々を逮捕している。日曜日、イラン当局はスパイ容疑で一人の男を処刑した。娘の友人はイスラエルの爆撃で家族全員を失い、墓地は自分の愛する者を埋葬しようとする人々で溢れている、と。
彼女は教会に対し「イランがアメリカに報復しないよう祈ってください。そんなことをしたら戦争は今よりもさらに悪化してしまいます」と訴えた、とアフシャールさんは言った。イランで拡大を続ける地下教会は「非常に、非常に恐れています」と彼は付け加えた。数日間、多くのイラン人が電気、水、インターネットへのアクセスを失っていた。
アフシャールさんは30年間地図を広げてイランのために祈ってきた人であり、イラン人の複雑な感情は理解している。彼は「確かに、誰かがこの独裁者の手から救いに来てくれたことを嬉しく思います」と、イランの最高指導者アヤトーラ・アリー・ハメネイ師に言及して語り、「でも一方では、爆撃されているのが、あなたの国、あなたの近所、あなたの隣人、あなたの愛する人なのです。あなたならどう感じますか?」と、問うのだ。
