参議院選挙の結果を受けて、石破茂内閣総理大臣の進退が連日議論されている。キリスト教信仰の観点で『石破茂語録』(2022年刊)を出版した三浦三千春氏が緊急寄稿で、祈祷課題を挙げた。
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『石破茂語録』編者として、参院選をはさんだこの数週間、石破さんに大変な不満を募らせていた。
「石破さんはなぜ、消費税減税を決断しないのか」と。これでは当然、自民党の支持率は上がらないし、トランプも関税問題で妥協しないだろうと。
何のリーダーシップも示せず、参政党のような極右政党の躍進を許し、自国中心主義・軍国主義的志向の人々を勢いづかせながら、ただノコノコと退場するのかと思って憤っていた。
しかし、参院選当日の朝、東京で通う日基教団・富士見町教会の聖日礼拝に一クリスチャンとして参加する姿に、「彼は神に全てを委ねているんだな」とも感じた。
7月23日午後7時ごろ、状況は180度変わった。トランプと赤澤大臣の間で、関税15%で妥結したという報がもたらされたのだ。
これはアジア各国の中で最も低い税率であり、またいち早い妥結だ。赤澤大臣は何度も訪米して「MAGA」の帽子をかぶってみせたり、「なぜこんなにトランプに媚びを売るのか」と揶揄(やゆ)されてきた。しかし、最後に15%妥結をもぎ取り、トランプと対等な立場で固く握手を交わす写真は世界に大きな印象を与えた。石破さんが確固として国政のリーダーシップを明確に示したのだ。
28日の自民党両院議員懇談会では、辛(から)くも石破さんの首相続投が黙認された。
自民敗退の原因は、統一協会問題や裏金問題をあいまいにしてきたからだとくっきりと浮き彫りにもされたかたちであると思う。
NHKの独占インタビューで石破さんは続投の意志を明確にし、関税問題を契機に、国内各分野の中小企業、個人事業者と対話し良き政策を作り、日本の存続と繁栄の礎を築きたいと国民に直接訴えた。
消費税減税についても踏み込んだ。野党に、財源確保などの良き案を示すよう、そして議論して、国民的コンセンサスを形成しようと要請した。
◇
「行政のトップとして私心を捨てて責任を全うしたい」との決意を語った。愚直な石破さんの言葉だけにそれは嘘ではないと深く心にとどまった。数十年ぶりに、与党政治家の言葉に深い感動を覚えた。
私もそれを願い、石破さんがそれを目指している大きな方向性は、①国際平和協調主義、②一人ひとりの人権重視(それは現憲法の規定するものである)の路線だと思う。
しかし、敵対する勢力も大きく影響力を残している。
8月15日、終戦80年首相談話は、日本の戦争責任を盛り込み、国内外に①②を宣言するものとなるだろう。 私は、80年宣言を石破首相が出せるよう、また各産業との対話、消費税減税の野党との対話など石破さんの示したビジョンが実現するように執り成しの祈りをもって支えたい。
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