戦後教会史は罪責自覚の歴史 同盟基督8.15集会で山口氏

日本同盟基督教団「教会と国家」委員会は8月11日、「8・15平和祈祷会」を神奈川県の横浜上野町教会とオンラインで開催した。同教団牧師で東京基督教大学特別教授の山口陽一氏が、「戦争責任の本質、戦後80年に考えること」と題して、ダニエル書9章から講演。神の民の歴史認識、神の民の一体性、神に背いたことの本質と悔い改めの実を結ぶことを考察した。

イスラエルは神ならぬものを神と並べた結果、「見ることも語ることもできない偶像と同じように、見ることも聞くこともできなくな った」(Ⅰ列王18・21参照)。ダニエルは、憤りに満ちた神の御顔の前で恐れてではなく、主のあわれみと赦しの中で深い悔い改めへと導かれた、と解説。

今日の日本が「自虐史観」だとする論調について、「神を知らないので悔い改めることができず、自分は正しいとし続ける、原罪そのもの」と述べた。
「父祖たちが神に背いた責任がダニエルにもあるのか」との問いに、世代を超えた神の民の一体性、主のあわれみのゆえに悔い改めに進むことを説いた。

「ダニエルの物語は信仰の熱心と勇気の物語ではない。神に背き裁きを受けている民が、『身を汚すまいと心に定め』、同じ過ちを犯すまいという自覚による悔い改めの実」「彼は権力者になった時、極めて政治的な場面で信仰を発揮する。石破茂総理は広島、長崎の平和集会の挨拶で、安倍政権で決定的に欠けていたものを持っていることを示した。現代のダニエルになっていただきたい」と語った。

戦後の戦責告白の歴史を解説した。敗戦は戦争協力の不足によるものだと懴悔して新たな報国を誓ったものや、戦争協力は悔い改めたが偶像礼拝は悔い改めなかったものなどを紹介。1970年代の靖国神社国家護持法案、90年の大嘗祭、95年(戦後50年)の村山首相談話などを契機とし、福音派、主流派それぞれの教団・教派、学校、諸団体が罪責告白に至った、と解説。「日本の教会は半世紀をかけて戦争責任の自覚を深めた」「戦中世代が戦後世代に代わることで実現したことでもあった」と分析。「9章17~19節を私たちの祈りに」と結んだ。【間島献一】

山口氏は現在、本紙に「 【戦後80年特別連載】教会の土台を“共に”考える」を連載中。それに加筆して今年8月、『戦時下の教会を知ろう 新たな戦争を回避するために』(いのちのことば社)を上梓している。講演では同著の内容からも語られた。

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