碓井真史(新潟青陵大学大学院教授/心理学者)
『タコピーの原罪』。すごいマンガだ。今年全6話がアニメ化され、衝撃的な内容が大きな話題となりつつ、8月に最終回が配信された。物語は、ハッピー星に住むピンク色のかわいいタコ型宇宙人「タコピー」が地球にやってくるところから始まる。明るくポップな絵柄だ。しかし、タイトルにある「原罪」は、冗談でもレトリックでもない。私たちの罪と心の闇を、これでもかと見せつけてくる。
タコピーは純粋だ。小学生の女の子「しずかちゃん」を、不思議なハッピー道具で最高の笑顔にしたいと奮闘する。しかし、しずかちゃんは壮絶ないじめを受けていた。友達も親も先生も、誰も助けてくれない。タコピーが空を飛ぶ道具を出しても、「空なんか飛べてもどうせ何も変わらない」と道具を手に取ることすらしない。そう、これは極めてダークな「ドラえもん」物語だ・・・
(次ページでタコピーとクリスチャンについて、など)

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