
特集「3人に聞く」今回のテーマは「『異質』なものとどう向き合う?:排外主義」。播磨 聡(日本バプテスト広島キリスト教会牧師)に聞く。
「怠惰」に甘んじずイエスの道を
2017年、中国出身の技能実習生4人が礼拝に出席するようになりました。当時、当教会には中国人の副牧師がいたため、日本語がわからない彼女たちは喜んで教会に通われました。彼女たちは物流会社で、朝6時から夜11時まで、30キロほどの重い荷物を仕分ける仕事をしていました。休憩は夕方4時頃に30分間だけと短く、仕事中に荷物に挟まれることもあって、体中があざだらけという過酷な状況でした。そのうちの一人は、骨折したようなのですが、実習生をサポートする監理団体は、病院に連れて行ってくれず、激痛が走る中でも「仕事に行け」と追い立てていました。「このままでは体が壊れる」と、二人は実習をやめて帰国していきました。日本に残った二人から相談を受けた教会は、監理団体、労働基準監督署に訴えました。労働基準監督署は立ち入り調査を行い、一か月後、過酷な労働環境は改善されました。
今も私たちの教会には、日本人以外に中国、韓国、ブラジル、ウクライナ、ボリビア出身の方が集い、礼拝を献げています。全国各地の教会でも、外国の方が増えていると思います。外国の方との出会いは、新しい気づきや励ましをいただく豊かな時です。同時に、その中には外国人という弱い立場のために苦しんでいる方もおられます。その方々の話をじっくり聞き、受け止めることが、今、教会でできる大切な働きです。
(次ページで、「異質」なものとのかかわりを面倒だと感じる概念について、イエスはどのように接されたかなど、約750字)
