追悼早天礼拝の様子

最初に、礼拝案内チラシに掲載された写真について説明。「震災で焼け残った会館の跡地に集まった当時の在日本朝鮮基督教青年会(YMCA)=現・在日本韓国YMCA=の会員たちの写真だ。説明を読むと、当時の厳しい状況を垣間見ることができる。震災後、朝鮮人が暴動を起こしているという流言が拡大し、それを信じた日本人により、数多くの朝鮮人が虐殺された。ここに写っている人たちも、危ういところで命拾いしている。当時の幹事は、警察署内で危うく襲撃を受けるところだったという」
そう語った上で、ローマ人の信徒の手紙を解説した。「この手紙は、被造物の嘆きと希望が語られ、絶望的な現実と未来への希望が交差しているところだと思う。26節にあるように、霊が弱い私たちを助け、どう祈ればいいか分からない時に、霊自らが言葉に表せないうめきをもって執り成し、祈らせてくださると語る。私たちもヘイトスピーチ、差別など、歴史の中で起こった様々なつらい出来事に対してうめき、嘆くが、聖霊も共にうめき、嘆き、私たちの弱さを助けてくださる。神様の御心が行われるようにと、共に祈りを合わせ、連帯してくださる」
「来年は100周年を迎えるが、私たちはウクライナの惨劇を通し、一見平和に見える生活が急変する事態を目にしている。虐殺も昔話ではなくなってきた」と危機感を募らせる。

李相勁氏

一方、2013年の神奈川新聞に掲載された「関東大震災90年 多民族共生考えるシンポ」の記事を紹介。「記事では、朝鮮人を保護した人たちもいたこと、多くの群集たちが迫害を加えようとしたのに対し土木を請け負う親方たちが制止をしたこと、新田神社に180人の朝鮮人が保護されたこと、親方たちは日頃から仕事を通じて朝鮮人の人柄に接していたので流言飛語を信じなかった、ことが書かれている」、「共に生きる、つながることの大切さを教えられる。私たちは歴史を導かれる神様を、神様の御心が実現することを信じ、互いにつながり、励まし合い、共感しながら、とりなしてくださる聖霊の導きに従い、希望を抱き、共に歩んでいきたいと願っている」と結んだ。

クリスチャン新聞web版掲載記事)