10月からの新番組で出演する加藤常昭さん、雨宮慧さん

 

痛みの中で神を発見したい

 

今年で日本語放送開始70年となるキリスト教放送局FEBC(AMラジオ1566kHz、インターネット放送 https://www.febcjp.com/)は、記念番組シリーズ「ひとりと出会う」を10月から始めた。初回15日は加藤常昭さん(日本基督教団隠退教師・神学者)が語る。以降、様々な人物が出演する。統括ディレクター補佐の長倉崇宣さんは、「ゆかりの人物にFEBCを振り返ってもらうので、長らくお聴きの方は『懐かしい』と思っていただける。それだけでなく今後への提言もいただく。加藤先生からは『70年と言うが、いつまでも若くいなさい』と励ましの言葉をいただいた」と言う。

 

 「外の人」の叫びを聞く

 

「『ひとりと出会う』は、70年間FEBCが大切にしてきたこと」と述べる。「ラジオもインターネットも『マス・メディア』だが、私たちはリスナーを『マス』(大衆)とは思わない。一人の方を大切にして、いっしょにイエス様を見上げてることを続けてきました」

特に意識してきたのは「教会の外の人」だ。「教会に行きたくてもいけない人。神様を求めていても、病気や家庭での反対などの事情がある人がいる。『こんな私もクリスチャンと言っていいのでしょうか』というお便りが寄せられることもある。そのような方々とのパーソナルなコミュニケーションを大事にしてきました」

このような姿勢はSNSの目まぐるしいコミュニケーションの中でも生かされる可能性がある。「SNSも活用したいが、耳目を引くようなことを発信して『バズらせる』というやり方はFEBCには合わない。まだ形になっていないが、SNSで発信する人の言葉の中には、きつい表現の中にも、その人の『叫び』があるように思う。どのようにしたら、その人といっしょにイエス様に向くことができるか。何かFEBCとしてできることがあるのではと思わされています」

 

コロナこそ対話の機会を増やしていく

 

コロナ禍でFEBCも影響を受けた。教会での礼拝、集会の中止や制限がある中、「毎日放送しているFEBCの番組に気づいてもらった」という手ごたえはある。対面での取材は、現在も極力控えているが、オンラインを活用した番組づくりにも道が開けた、、、、、

クリスチャン新聞2022年10月16日号掲載記事)