
戦後キリスト教教育は決して「反日」ではなく、日米の間に立つ「越境者」たちによって「自主性」が追求されてきたことを、多くの事例で紹介する論集となっている。『占領期日本の教育再建と越境キリスト教』(7千480円 税込、吉田亮編、教文館、A5判)は日系米国人、あるいは日本育ちの米国人、という、日米相互に越境したクリスチャンを軸に戦中、戦後の教育の在り方を論じる。それぞれ一様ではなく、米国支持から脱米国派、「逆コース(再軍備)」支持から反「逆コース」まで幅広い。日本育ちの米国人の中には、収容所所長になり、日本人に愛を示し、戦後の教育に尽くす者や、米国化されたキリスト教を問い直す者もいる。一方、反共の砦(とりで)となった学校もある。全体として米国のキリスト教を問う現代的な意義がある一方、日本の戦争責任との関係についてはさらに考察が必要だ。
日本、アジアで共通した宣教課題は、伝統宗教との不調和と対立、「土着化」だ。『帝国の神道とキリスト教 近代日本のキリスト者における神道理解と社会思想』(洪伊杓著、7千700円 税込、新教出版社、A5判)はキリスト教と神道の在り方を、明治初期の指導者・海老名禅正の神道理解を軸に追究する。先行する松山高吉との比較、弟子筋では、国粋的な渡瀬常吉・大谷美隆と大正デモクラシーに連なる吉野作造・柏木義円の対比、最後に賀川豊彦との論争をたどる。ロゴス論など神学理解、教派神道との比較、「朝鮮伝道論」なども豊富な資料と共に紹介。「帝国神道的キリスト教」あるいは「帝国キリスト教」となった海老名の神道理解を批判。「海老名の限界と矛盾を明確に把握しないまま彼の思想を無批判に再評価すること」を現代的課題として警戒する。
戦争が目の前にある現在、日米関係の中で教会をどう考えるか、天皇制、戦争責任、平和の取り組みについて、など戦後80年の昨年考察した講演集『戦争の時代を生きる教会 アメリカ、ウクライナ、中東、そして日本』(信州夏期宣教講座編 辻幸宏・児玉智継・野寺博文、いのちのことば社、千210円税込、A5判)が参考になる。
こちらの記事もオススメです
≪定期購読で宣教情報を着実に<電子版、紙面版>≫
分断した世界でこそ、異なる働きを知り、理解し、出会うきっかけに
牧会・宣教に役立つ情報、
多様な連載を掲載!
紙面、ウェブを刷新し、さらに充実しました。
無料公開は一部。定期購読で、着実に情報を得られます。
また購読で発行をお支えください。購読はこちら
電子版:速報(無料)・詳報(有料)記事を随時掲載、紙面ビューアー ※バックナンバー閲覧可能
紙版:月2回発行
■購読料
紙版(送料込)
月額1,226円(税込)(オンライン申込・限定クレジットカード支払いのみ)
6か月6,756円(税込) ※本紙代が10%お得です
年額13,512円(税込) ※本紙代が10%お得です
電子版
月額900円(税込)
年額10,300円(税込) ※毎月払いより約5%お得です
紙・電子併読版(紙版の年額+2500円で電子版併読が可能です)
月額1,400円(税込)
年額16,000円(税込) ※毎月払いより約5%お得です
■新ご注文受付サイトhttps://クリスチャン新聞.com/start-checkout/
