【レビュー】『キリストこそわれらの平和 エフェソの信徒への手紙講解説教』『エフェソの信徒への手紙を読もう 神の極彩色の世界』

 キリストとの平和が述べられるエペソ書を講解する対照的な二冊が刊行された。長らく神学校教育に従事してきた近藤勝彦氏の『キリストこそわれらの平和 エフェソの信徒への手紙講解説教』(教文館、2千200円 税込、B6判)、市民運動や木工、農業に取り組む牧師、深澤奨氏の『エフェソの信徒への手紙を読もう 神の極彩色の世界』(日本キリスト教団出版局、千980円 税込、四六判)だ。


 近藤氏は、エペソ書を礼拝への呼びかけに始まる教会形成のための文書として読む。深澤氏は、「教会を世界の平和や一致のモデルとして位置づけ」る壮大な構想を含む書として読む。夫妻・父子・主従の従順について述べる6章について、権力構造に敏感な深澤氏は切り捨てるが、近藤氏は教会愛を中心に解釈。近藤氏も世界を無視はせず、「戦争の用意」ではなく「平和の用意」を強調。深澤氏は、「平和も愛も、個人の心の状態ではなく、関係性の中で表現され、分かち合われるべき」と論じる。ほかにも訳語・解釈など相互に読み比べると気づきがある。

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