関田寛雄氏逝去 在日コリアンとの共生に尽力 「戦責告白の実質化」宣教
日本基督教団神奈川教区巡回教師、青山学院大学名誉教授の関田寛雄(せきた・ひろお)氏が昨年12月14日逝去した。94歳。葬儀は12月20日、司式は北村慈郎氏(日本基督教団船越教会協力牧師)、司式協力として木嶋あさ子氏(東金イエス・キリスト教会、八街キリスト教会 牧師)のもと近親者のみで行われた。
1928年、福岡県北九州市に生まれる。青山学院大学大学院卒業後、青山学院大学での神学研究と教会活動の「二足のわらじ」を履きながら、YMCAをはじめとする様々な分野で奉仕した。
神学教育においては、日本聖書神学校等、多くの神学校・神学科で説教学・牧会学を教え、全国で活躍するその教え子たちは数知れない。
日本基督教団教師として桜本教会、川崎戸手教会主任担任教師を経て、最後は神奈川教区巡回教師として神奈川をはじめとする全国の教会に出向き説教奉仕をした。
桜本教会在任中、李仁夏氏(在日大韓川崎教会牧師、故人)との出会いによって、アジア諸国に対する日本の罪責を自覚し、在日コリアンの人権問題に取り組み社会福祉法人青丘社ふれあい館設立にご尽力した。
そのことは日本基督教団の「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」(戦責告白)と共鳴することによって関田氏の宣教が方向づけられた。その後、開拓伝道した川崎戸手伝道所では「戦責告白の実質化」を宣教方針とし、多摩川河川敷に暮らす在日朝鮮人らとの共生へと導かれたほか、英連邦捕虜追悼礼拝など、多くの戦争責任に関連する活動に関わった。
その一方で、弱い立場の人々に寄り添う姿勢は一貫しており、映画「男はつらいよ」をこよなく愛し、礼拝説教では度々フーテンの寅さんが登場した。
現在、「お別れの会」(日時未定)を準備中。有志による実行委員会は、古谷正仁氏(日本基督教団 神奈川教区議長)が呼びかけ人となる予定。
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