【沖縄だより】「真実な〝ことば〟交わしていきたい」 Z世代の傍らに立つKGK
キリスト者学生会(KGK)沖縄地区主催の講演会が2月25日、開かれた。以下は昨年主事に就任した城間創牧師からのレポート。
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「私たち(若者)に必要なのは、私たちの心のうちに抱く感情に寄り添い、言葉にしていくのを助けてくれることで、講演会で語ってくれてうれしかった」。ある学生が、私の講演会後、こうレスポンスしてくれた。
Z世代と呼ばれる今の若者たちは、「自己承認欲求」と「他人との協調」との狭間で葛藤しつつ生きている。SNSの発達で自分を表現する言葉も短くなり、今ではLINEのスタンプ一つでやり取りできてしまう時代だ。そんな時代に、自分のことが本当に他者に受け止められているか不安を覚える若者たちがいる。
「ことばは人となって、私たちの間に住まわれた」(ヨハネ1・14)。〝ことば〟となって来られたイエスは、社会の中で苦しむ者たちの傍らに立ち、声をかけ、対話し、癒し、自由を与えてくださった。そんなイエスの真実な〝ことば〟を交わし合う人が、今の若者たちには必要なのだ。自分の正直な気持ちを言葉にすることに慣れていない若者の傍らに立ち、言葉にしていくことにずっと向き合ってくれる人。そんな対話の中で本当の自分を見つめられ、それを受け止めてくれる存在を通しイエス・キリストに出会っていける。
私は昨年10月から、KGK沖縄地区在住主事に着任した。現在、「若者の教会離れ」が世界中で叫ばれている。世界に若者がいなくなっているわけではない。若者は確かにいる。では、どう若者に福音を分かち合っていけるのか。若者たちがどんな世界観の中で生きているのかを知り、聖書の福音がどう若者たちにとっての〝良き知らせ〟なのか考えていきたい。若者たちの傍らに立ちつつ、若者たちの言葉にならない感情に耳を傾け、言葉を交わしていくことを通し、一緒にイエス・キリストに出会っていけたらと願う。
(2023年03月12日号 08面掲載記事)