金氏の説教に耳を傾ける参加者ら

関東大震災から100年目の9月1日、流言飛語によって数々の「朝鮮人虐殺」が引き起こされた悲劇を心に刻み追悼しようと、今年も東京YMCA、東京聖都市化運動本部、在日本韓国YMCA合同による「関東大震災 第100周年記念 追悼合同早天礼拝」が、東京・千代田区神田猿楽町の在日本韓国YMCAで開かれた。金性済(キム・ソンジェ)氏がペテロの手紙第一2章4~10節から「見捨てられたところから生きる石となられた主」と題して説教した。

金性済氏

金氏は「朝鮮人ジェノサイドは、関東大震災の混乱の中で起こったことで、やむを得なかったとよく言われるが、それは歴史の真実から目をそらそうとする言葉だ」と語る。「虐殺の犠牲者追悼の時間のみならず、自分の生活の中でこの歴史に向き合うたびに、私たちは何をして人間をそこまでするに至らせたのか、その本当の原因と背景とは何だったのか、その根本原因は戦後78年間、この社会において自分自身の中で乗り越えられてきたのだろうか、が問われる」

「100年前のあの事件、その原因と背景について向き合うことも、調査することも議論することも避けてタブー視してきたことは、この国において一体何を意味しており、これからこの国において何を失わせていくことになり、人間として大切な何かを壊していくことになるのか、そのことについて何度も振り返り、問い直す必要はないだろうか。そのために私たちはこの追悼の時間に呼び集められている」と語った。(詳細は紙面で)