ぴりぽ店内から海が見える

つながるブックカフェ

三重県鈴鹿市、千代崎海岸沿いにある、ブックカフェ「海の見える本屋 ぴりぽ」は、その名のとおり、窓から海を眺められる憩いの場となっている。キリスト教書専門ではあるが、訪れる人の8割はクリスチャンではない人。看板を見た観光客が来たり、地元の人でリピーターもいるという。2021年5月、塚本春美さんは、四日市市の自宅で開いていたブックカフェをここに移転した。人、本、音楽で聖書を味わう場となっている。

始まりは、20年前に感じた思いだ。あるキリスト教書店で買い物をしたが、そこで会話が生まれなかった。「交わりをもてる本屋がほしい」。そのような思いを抱き続けた。ある宣教大会の中で、三重県の祈祷課題として「クリスチャンブックストアーがない」ことが上がっていることを知った。「これは主のビジョン」と確信を得て、06年に自宅リビングでキリスト教書店を始めた。口コミで、様々なクリスチャン、牧師らが集う場となった。

本屋の名前の由来についてこう話す。「ピリポがエチオピアの宦官に聖書を解説したように、聖書を導く存在が必要。時にかたい食物のような聖書の言葉をかみ砕いてくれるのが様々な信仰書だと思います」

「この本屋を次世代に継承したい。だが自宅をそのまま渡せる訳ではない。別の場所が必要」。そんな課題を抱いたころ、コロナ禍に見舞われた。だが「主よ今ですね」と確信し、物件探しを始めた。現在の場所は入ったとたんに「ここだ」と思った、、、、、、、

2024年01月07・14日号   09面掲載記事)