「現場で戦い、傷ついている兵士たちと昨日も時間を過ごしました」ウクライナ船越宣教師報告2023年12月30日、31日
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12月30日
12月28日から29日にかけて、ロシア軍は110発のミサイルと大量の爆撃ドローンをウクライナ全土に対して発射、攻撃をしました。そのうちの大部分は迎撃されましたが、すべてが迎撃できたわけではなく、残念ながら多くの被害もありました。
ロシアがこのようなミサイル・ドローンによる無差別攻撃をやめようとしない以上、ウクライナは自国民を守るために、精度の高い迎撃機能を持つ迎撃ミサイルが不可欠になります。その一つが地対空ミサイル・パトリオットです。(すでにパトリオットが配備されていると思われるウクライナの地域では、ロシアから撃たれるミサイルに対する迎撃率が格段に高くなっています。)
日本政府は、パトリオットをアメリカに逆輸出する決定をしました。それに対して、ロシア外務省の報道官(マリア・ザハロワ)は「もし、日本から輸出されたパトリオットがアメリカを経てウクライナにわたれば、それは日本のロシアに対する敵対行為とみなす。それは、日ロ関係に深刻な結果をもたらすことになる」「(そのような行為は)ウクライナの苦悩を長引かせ、罪のない犠牲者の数をさらに増やし、キエフ政権による残虐行為を助長することになる。その責任は日本側が全面的に負うことになる」「(そのような行為は)世界と地域の安全保障に悪影響を及ぼす」と、もう聞くに耐えない言いたい放題の発言をしました。
日本という主権国家が国際法に則った上で、自国の意思でどこの国に何を輸出するか、それに対してロシアが脅迫めいたことを言う、これは明らかな内政干渉です。2022年2月、国際社会の警告を無視して軍事侵攻に踏み切ったのはロシアではありませんか。
かつてプーチンは、核も持たず、一国で自国を防衛できないような国は主権国家とはみなしていないという趣旨の発言をしたことがありますが、まさに日本を主権国家とはみなしていないと言わんばかりの傲慢な物言いです。
日本によるアメリカへのパトリオットの輸出を「ロシアへの敵対行為とみなす」と言いますが、北方領土で軍事演習を毎年繰り返して「敵対行為」をエスカレートさせているのはロシアではないのでしょうか。
しかも、ロシアが国際法を無視して継続しているウクライナへの侵略、それをやめさえすれば、パトリオットがどこからどこへ輸出されるかなどという心配の必要はなくなるのです。自分たちが「残虐行為」を継続し「世界と地域の安全保障に悪影響」を及ぼし続けながら、そのことを棚に上げて他国の決定に対して「ロシアに対する敵対行為とみなす」とは、どういう意味なのでしょうか。
去年の12月29日の戦況図と今日の戦況図を見比べてみると、ほとんどそれが変わっていないことに気がつきます。ウクライナがこの1年で大きく領土を奪還できなかったことを悲しく思います。しかし、ウクライナは自国の何倍もの兵力・軍事力(そして核兵器)を持つ世界第2の軍事大国による全面攻撃を受けながら、(しかも西側諸国から支援が約束された兵器の多くが届けられていない状態の中で)この1年間、その戦況図を変えることなく守り切ったとも言えるのです。その現場で戦い、傷ついている兵士たちと昨日も時間を過ごしました。
2024年、この年こそ、ついに終戦の年となることを心の底から願っています。
戦争が長引く中で、ウクライナのニュースを聞くことさえしんどくなってしまうことも多々あると思います。そのような中で、ウクライナを忘れず、真摯に祈り続け、支え続けてくださっているみなさまに心から感謝をしています。本当にありがとうございます。
12月31日
たった今、凄まじい爆発音があり、教会の建物にいても振動を感じました。(かなり近かったようです。)主がオデッサを、そしてウクライナを今晩、破壊から守ってくださいますように。
船越真人・美貴・勇貴