2月12日からの二週間、北朝鮮に関わりのある18人のユースと7人のスタッフによるバイブルキャンプがYWAM沖縄(沖縄県うるま市)を会場にして行われました。参加者は10代〜20代が中心で、北朝鮮から逃れてきた脱北者とその二世の子どもたちで韓国で信仰を持つようになったと言います。

沖縄では毎朝の賛美礼拝と講義、美しい海を堪能しながらの午後の活動、そして夜にも講義の時間を持ち、神様のことをたっぷりと学びました。教会やチャーチスクールでの証しやメッセージの機会も与えられました。証しを聞いた人たちは、自分たちが今までいかに生ぬるい信仰生活を送っていたか、また、北朝鮮のことをほとんど祈ってこなかったことなどを悔い改めました。涙を流しながら、北朝鮮の救いと平和のために祈る決意を表明する姿が多く見受けられたのが印象的です。


講義の時間


皆で真剣に祈りを捧げた

北朝鮮で生まれ育ち、17歳の時に脱北したという男性は、自分が受けてきた日本蔑視の教育ゆえに日本に対して嫌悪感を持っていたと言います。しかしたくさんの日本人と接する中で、その教育が偽りであったことに気付かされ、今では日本と日本人が大好きになったと証ししてくれました。


証ししあう青年たち

このキャンプを主催したYWAMのケネス・べ宣教師(韓国生まれのアメリカ人)は、北朝鮮の中での祈りの働きを行っていました。しかし自身の不注意で投獄され、国家の転覆を企てた罪で15年の刑を言い渡され、厳しい尋問と強制労働を強いられた経験があります。アメリカ政府の働きかけにより、約2年後に釈放されることになりますが、その間に牢獄で起こった様々な主の御業が証しされました。何度もくじけそうになりながら、主の御業を通して聖霊様が共におられることを確信したケネス師は、「この状況から助け出して下さい」という祈りから、「この状況で私を用いてください」と祈りが変えられたと言います。それからというもの、看守たちがケネス師を牧師として慕い、悩み事を相談するようになったと言います。

ケネス師が語られた尋問官とのやり取りは興味深いものです。
彼は尋問官に質問しました。
「私がどうやって国家を転覆させることなど出来ると言うのですか?」
尋問官はこう答えました。
「お前たちがしている、祈りと賛美によってだ」

私たち信仰者の祈りには国を揺るがす力があります。
この国が変えられ、平壌の地で共に主を礼拝しましょうという力強い告白と共にメッセージは締めくくられました。

レポート=吉田和彦(日本YWAM代表、牧師)

2024年03月10日号 08面掲載記事)