第四回ローザンヌ世界宣教会議(9月、韓国仁川、オンライン)に向けて、毎週配信中の「ローザンヌ運動ポッドキャスト」(URLlausanne.org/podcast-series/lausanne-movement)から主要な論点を紹介する。第18~20回(2月配信)も多様なテーマが話された。

 

前回

異質性は教会のDNA 隣人「利用」ではなく「愛」を 第四回ローザンヌ世界宣教会議への旅⑥

 

第18回配信では、同宣教会議本会場と別に各地での実施を企画したサテライト開催について、ローザンヌのエグゼクティブ・プロジェクト ディレクターであるジャスティン・シェルさんが語った。

サテライト開催の意義として、「『どこに大宣教命令のギャップがあるのか』という課題や、世界の宣教のニュースを、宣教の専門家やリーダーだけでなく、地域教会や多様な業種の人たちが聞く。地域のコミュニティーでどう対応するか取り組める」と話した。

「情報を発信することは大切だが、人とのつながりを作りたい」と言う。「自分が最も情熱を注ぐのは一つの問題だけかもしれないが、世界には他にも重要なニーズがある。自分の地域に情熱を持っている場合、神が他の地域で何をしているのかを理解したら、学べる教訓があるかもしれません」

「世界的な福音派の一員である、と感じたい。一回のイベント開催だけではなく、このプロセスは2050年まで続く。『共同アクションチーム』(連載第三回参照)に参加してほしい。一緒に協力する方法を見つけるために、宣教のイノベーションのモデルを提供したい」

地域に根付き、革新する

第19回配信は、都市について、青年支援団体メッセージ・トラストのアフリカ開発ディレクターであるティム・タッカーさんが語った。
南アフリカの青少年が、ギャングや犯罪に巻き込まれることを防ぎ、地元の教会と協力して健全な代替策を模索し、若者が楽しめる音楽やアクティビティーなどを提供する。並行して、崩壊したコミュニティーにかかわり、若者の気晴らしとなるコミュニティーハブを設立した。

刑務所でのプログラムを開発し、特に釈放前の期間に重点を置く。宣教団体、NGOと協力して、出所前の弟子育成、就職準備プログラムなどを提供。これらの活動はコーヒーショップチェーン「ギャングスタカフェ」に発展し、元受刑者でバリスタ、バリスタトレーナーとなる人も出ているという。

コミュニティーへ向けた働きの原則の 一つは、「対面で献身的に関わる宣教」と強調。「コミュニティーに出たり入ったりするのではなく、コミュニティー内に腰を据えて取り組む人が必要。鍵となったのは、やはり地元の教会」と述べた。

第20回配信では「仕事と信仰の統合」についてロンドン現代キリスト教研究所の元事務局長、マーク・グリーンさんが話した。聖書から「働き」の意味を説明し、「あなたの仕事は神の秩序、喜び、美をもたらすか」と問うた。

弟子育成についても語った。「お金も専門のスタッフも必要ない。意識の問題。イエスが弟子を作ったのと同じように弟子を作りたい。誰かのそばに行き、彼らの目を見て、彼らの人生で何が起こっているかを知り、一人ひとりの人柄に応じて関わる。説教壇からだけ、あるいはスモールグループからだけで弟子育成はできない」と述べた。

現代の職場環境において、人間関係が希薄化し、メンタルヘルスの問題が起きていることを踏まえ、「良い仕事は関係性から。仕事の質だけでなく、良い働き方とは何かという基準ができたら、今後の動向に対処し、それを批評し、その知恵を世界に広めることができる」と勧めた。【高橋良知】

2024年08月11日号 07面掲載記事)