受難と復活 多視点で味わう 『ハッピー・イースター・トゥ・ユー!2』

近年、教会外でも少しずつ認知されるようになってきた「イースター」。キリスト信仰の根幹となる日のはずだが、伝道の機会としては、クリスマスに比べてかなり影が薄いのではないだろうか。
クリスマスの伝道メッセージ集として2022年から毎年刊行されている『メリー・クリスマス・トゥ・ユー!』に並行して、昨年からスタートしたイースターのメッセージ集の第2弾。今回も地域・年齡・教派などが異なる7人のメッセンジャーが、それぞれの持ち味を生かしながら、イエス・キリストによるいのちとの出会いを語っている。多様な語り口のメッセージが並ぶことで、どのような読者にも訴えかけられるものとなっていると言えるだろう。
その中で最後に掲載された小平牧生氏(ニューコミュニティ主任牧師)のメッセージは、1995年1月の阪神・淡路大震災から30年目の節目となる今年、改めて震災での経験を踏まえてつづられていて、強い印象を残す。
「ご自分を殺そうとする人たちのために、ご自分を裏切った弟子たちのために、そしてすべての人間のために、『父よ、彼らをお赦しください』と神に祈りながら十字架で死なれたイエス・キリストは、3日目に死に打ち勝って復活されました。復活されたイエス・キリストは、どんな人間であってもお見捨てになることなく、ご自分の新しいいのちを分かち合ってくださいます。その新しいいのちに生きるとき、私たちの歩みが決して華やかなものでなかったとしても、そこに生きる意味が加わり、苦しみに耐え抜く力が備わり、天へと向かう永遠の希望が与えられます。」(監修者による「はじめに」より)
クリスチャンが受難と復活の意味を改めてかみしめるために、説教者が例年とは違った角度からメッセージを語るヒントとして、そして何よりも、まだ救いを知らない多くの人たちに福音を伝えるために、さまざまに活用できる一冊。
(記・山口暁生=担当編集者)
(2025年04月13・20日号 05面掲載記事)