『The Whole Easter Story — Why the cross is good news for all creation』 英語、1,250円税込。(紙版オプションあり)

被造物全体の回復を視野に入れて、イースターを祝う『まるごとのイースター物語 なぜ十字架はすべての被造物にとって良い知らせか』(The Whole Easter Story – Why the cross is good news for all creation、キンドル電子書籍で購入可)が刊行された。受難節40日間のデボーションガイドとなっている。10日ごとの「神と人」「神と被造物」「人と人」「人と被造物」の4段階で展開し、「十字架は、神と人、人と人、人とすべての被造物の関係を再設定して変革する」(31日目)ことを確認する。
著者はキリスト教国際NGO「ア・ロシャ」コミュニケーション部門のジョー・スウィニーさん。カナダ・リージェント大学で神学を学び、執筆・編集活動もしている。本書では家族やペット、映画やネットフリックスのドラマなど、身近なエピソードも交えて読みやすい。
被造物全体を意識しなければならない理由として「都市化の拡大や、高度にデジタル化した日常活動によって、自然と切り離されている」(35日目)という現代人の急激な変化が挙げられる。それは人間の罪に由来し、「神との関係が崩れれば、結果的に、個人でも社会レベルでも、被造物との関係が崩れる」(33日目)。逆に「被造物との正しい関係は、神との正しい関係の入り口になる」(38日目)。
「最大の環境問題とは、生物多様性の減少や生態系の崩壊、気候変動ではなく、人間の自己中心や貪欲、無関心である。この解決のためには、文化的、精神的な変革が必要だ。それは法律家や科学者には解決できない。環境危機の原因は、霊的なもの」(32日目)なのだ。
本書には毎日の項目の中で、ジョーさんが描いたイラストと説明文が掲載されている。「ア・ロシャ」が保護している動物たちのイラストだ。この期間中、オンラインで毎週読書会が開かれたが、参加者たちは「このイラストが毎回楽しみ」と語っていた。今年のイースターは目前だが、今から本書を読み進め、楽しく全被造物視点を取り入れてみてはどうだろう。

2025年04月13・20日号 05面掲載記事)