旧約聖書学者として多数の書籍を著し、神学教育に貢献した鍋谷堯爾(なべたに・ぎょうじ)氏が、3月8日、急性心筋梗塞のため搬送先の病院で亡くなった。93歳だった。3月11日に告別式が青谷福音ルーテル教会で、前川隆一(同教会牧師)氏の司式により行われた。喪主は長男の俊一氏。

1930年、神戸市に生まれる。48年、慶應義塾大学医学部に入学するが、色弱のため経済学部に転部。在学中に結核を発病し、療養生活の中で信仰を持つ。52年、日本自由メソジスト三輪教会で洗礼を受け、退院後55年に、大学に復学するとともに、神戸ルーテル聖書学院に入学し、青谷福音ルーテル教会に転籍。56年から神戸ルーテル神学校開校準備のため、主事として働く。68年、ウエストミンスター神学校卒業、神学修士号取得。70年、コンコーディア神学校卒業、神学博士号取得。西日本福音ルーテル教会総会議長、神戸ルーテル神学校教授・校長、神戸国際大学教授、神戸バイブル・ハウス理事、淀川キリスト教病院評議員、日本ホスピス緩和ケア研究振興財団常務理事を務める。

著書、訳書に『人間イザヤとその預言 – 21世紀へのメッセージ』、『旧約聖書が、今、語りかける』、『詩篇を味わう』Ⅰ~Ⅲ、『老いること、死ぬこと』、『創世記を味わう』I ~IV、『イザヤ書注解』上・下、『イザヤ書を味わう』、『預言書を味わう』、『ある医学生の友情 – 病床の友との往復書簡』、『現代神学小史』(カール・ヴィスロフ著)、『説教のこころ』(カール・ヴィスロフ著)、『キリスト教倫理』(カール・ヴィスロフ著)、『ルターとカルヴァン』(カール・ヴィスロフ著))、『キリスト教入門』(カール・ヴィスロフ著)、『実践旧約ヘブル語文法』(J・ワイングリン著)、『マルティン・ルター 日々のみことば』(マルチン・ルター著)、『イザヤ書 – ティンデル聖書注解』(アレック・モティア著)、など。