毎週火曜日午後から、食堂でチャペルタイム

大阪府堺市のシャローム株式会社(俣木泰和社長)が運営する2022年に開業の住宅型有料老人ホーム「晴れる家大仙公園」は、「晴れる家」シリーズ六つ目の施設だ。鉄骨造五階建て、個室と夫婦部屋合わせて70室。要介護1からが対象だが、夫婦部屋はどちらかが元気でも共に入居できる。24時間看護師常駐で、軽度から看取りまで医療処置が必要な人も安心して暮らせると、利用者や家族から喜ばれている。

花咲く屋上ガーデンテラスは6号館の自慢の一つ。季節の花に囲まれて家族や友人と過ごせるテラスからは、あの仁徳天皇陵を擁する大仙古墳の緑が眺められる。

テラスに併設されているのが、ヨーロピアンな調度が華やかさを添える喫茶室。訪ねて来た家族がお茶やお菓子を味わいながら「親孝行できる空間」にしたいと設けられた場所だ。6号館のコンセプト「親孝行」を象徴するスペースと言える。現在面会室として活用されているが、いずれは地域の人も楽しめる喫茶店として開放したいと考えている。

毎週火曜日午後から、食堂でチャペルタイムが開かれる。賛美歌を歌い、チャプレンのメッセージを聞くこの時間を楽しみにしている人は多い。クリスチャンは数人だが、チャプレンの服部雄一郎牧師らスタッフが驚いたのは、利用者の多くが日曜学校の経験者だということだ。

利用者平均85歳前後の人の多くが子どもの頃教会で賛美歌を歌い、聖書の話を聞いていたという事実に、服部さんらは大いに励まされたという。かつて歌った賛美歌を口ずさみ、聞いたことのある聖書の話に記憶がよみがえる。もちろん信仰を強制することはないが、チャペルタイムに集い、触れ合ううちにキリストを受け入れる人もいる。今も洗礼式を待つ人がいる。

「種をまいておけば、80年後に花咲くこともある。若い時、幼い時に聖書に触れることの大切さを目の当たりにしています」

利用者のケアを担うスタッフが大切にしているのは、常に敬意を持って接することだという。一人ひとりにその人だけの尊い人生がある。個々の背景を知れば、とても軽んじるようなことはできない、、、、、、、

2024年07月14日号 04面掲載記事)