

(1面から続き)1992年に民主化したモンゴルでは、著しい経済成長を遂げる一方、激しい貧困格差が生まれた。首都ウランバートルではゴミ集積所のそばに住みゴミ収集で生計を立てる貧困下の子どもたちが多く存在する。
身寄りがなくマンホールチルドレンだったというバーサンドゥオーリ氏は、自身の経験から、貧困などの事情で国公立の学校に通うことのできない子どもたちのために無償の支援学校「ジョイハウス」を設立。運営は十年以上に及び、現在は7歳から18歳までの約140人の子どもたち、ボランティア教師により教育や外国語の勉強、工芸などを学んでいる。
遠距離通学の負担軽減のために宿舎を祈り求めていたことに対し、日本EHCは土地取得と既存の建物を修繕するため資金面で協力。昨年9月に宿舎が完成し、その隣にはゲル(モンゴル式テント)も設置した。現在、住む家を持たない子や、遊牧民でこれまで通学が難しかった子どもたちなど計32人を受け入れ、住み込みで学ぶことができるようになった。
さらに、海外からの献品で「ジョイハウス」の目の前に300人が入るゲルが建てられ、「愛の宣教教会」という教会となった。通学する子ども達のうち約60%が教会にも通っている。
卒業生たちは、専門学校に進学して就職したり、運転免許を取得し運転手になったり、地下資源の採掘現場で機械操作を行っている子などがいる。卒業後も連絡を取る関係が続くが、それは教育と一緒にイエス・キリストの福音を伝え、子どもたちが神様の(愛の)中で成長するので、人生や生活が変化するからだという。
モンゴルでは低賃金や、田舎から首都へ来ても職を得られない場合などから、貧困により家庭環境は悪化し、学校へ通えない子どもが増えている。「ジョイハウス」では貧しい子の親に、就労につながる縫製技術のトレーニングも提供し、多角的に、子どもたちの生活環境の改善に取り組んでいる。
「モンゴル国内では支援を受けられず困っていたときに、日本EHCを通した支援で助けられ、神様の祝福に感謝している」と、バーサンドゥオーリ氏は日本の支援者に対し感謝を述べた。「ジョイハウス」では、食費・電気代等、月々19万円が運営費として、また、子ども達が通う「愛の宣教教会」の建つ土地の購入に41万円が必要となっている。さらに継続的な支援が求められている。
支援の宛先は、郵便振替00130・5・68644、ゆうちょ銀行019店 当座0068644(「モンゴルのために」と記載)。(レポート・都丸美奈子=いのちのことば社スタッフ)
