「どうせ世界は滅びる?」 改めて考える被造物ケア ジャスミンさん

環境問題を聖書的にとらえ直す「被造物ケア」が世界で提唱されている。ローザンヌ運動被造物ケアネットワーク共同代表で、OMF宣教師のジャスミン・クウォンさんは聖書、個人、教会のストーリーを分かち合った(聖書的環境コンソーシアム主催の「聖書的環境シンポジウム」、10月27日、オンラインから)。

ジャスミンさん

ジャスミンさんは、聖書から、自身の体験から、また2つの教会がかかわる事例から話した。

聖書のストーリーと被造物ケア

「創造の御業は創世記から黙示録まで聖書全体に織り込まれている。被造物は自然と人間の両方を含むと明確に記されている。神は、健全で完全な関係性、すなわち「シャローム」の調和があるように被造物を創造し、被造物は創造主を礼拝し、その栄光と威厳を反映するように設計された」と解説した。

 ヘブライ語の視点では、アダム(人)はアダマ(土)から生まれた。アダムはすべての生物に名前をつけたが、これは被造物における密接な関係性を示す。「しかし、人間の罪によって土も呪われてしまった。複雑に絡み合った関係と呪いは、 何世代にもわたって受け継がれた」と話す。

しかし、すべての被造物は、キリストの十字架上の死と 復活によって和解し、新しい天と新しい地が回復する。

 ローマ8章の「被造物のうめき」と黙示録21章の新天新地の2つの場面を注意深く語った。「被造物ケアについて話すとき、 私たちは未来志向になりがちだ。確かに永遠に焦点を向けて、将来被造物が回復するが、痛みや苦しみの現実を見過ごしてはいけない。黙示録の場面両方に視野を留めたい」

続いて神の壮大なストーリーと私たちのストーリーが交わる3つのストーリーを紹介した。

個人のストーリーと被造物ケア

一つ目は、ジャスミンさん自身のストーリー。幼い頃から人間と自然界の両方に興味があり、異文化やアウトドアを楽しんだ。生物学を学び、食糧問題を中心に地域開発の仕事に携わった。幼いころに信仰を持ったが、生物学、コミュニティー開発と信仰は切り離されていた。

 転機は、カナダ・リージェント・カレッジで食と神学の講義を受けたことだった。

(次ページで、ジャスミンさんの被造物ケアの視点の深まり、教会と被造物ケア、質疑「死は循環?」など、約1900字)

同主催の「キッズ環境プログラム」は「美しいフィリピンの自然があぶない!! 気候変動の問題から覗く世界の『今』」が11月29日10時からオンラインで開催される。