早期の発見と対応が重要だ 吉岡創 異端・カルト特集

タラッパンに教会・牧師・信徒を奪われ

吉岡創氏

異端問題との出会いは高校生のときでした。当時、故高山正治牧師が当教団において、異端やカルトから多くの人を救出しておられました。また「異端問題研究会」という講座を開講して、異端やカルトのことについて受講者に教えてくださっていました。
神学生時代、韓国人の級友より韓国系異端について聞かされ、実際に「金箕東(キム・ギドン)のべレヤ運動」と対峙していた彼を、数人の同級生とともにサポートしました。これが異端問題における最初の実践となりました。
牧師になって1年目、「柳光洙(ユ・グァンス)のタラッパン運動」が岡山に入ってきました。警戒しながら結果としては対応が遅れ、2人の牧師と約20人の信徒をタラッパンに奪われてしまいました。この問題は早期の発見と対応が重要です。この失敗が大きな教訓となりました。
聖書が語る「反キリスト」には、「キリストにとって代わる者」という意味があります。時として彼らは静かに入り込み、そして気がついた時にはキリストにとって代わっているのです。本当に恐ろしいことです。

脱会者の救いの喜びから溢れ出る神の愛

この問題を通して出会う異端やカルトに陥った人たちの多くは、善意から耳を傾け、学びを深め、支配と管理の中で活動に没頭していました。彼らはけして初めから悪人だったのではなく、彼らさえも被害者なのです。彼らの過去を振り返って流す涙がそれを証ししています。
研修会場となった2つの教会には、様々な団体からの多くの脱会者がおられました。そして教会には過去を背負う人たちの持つ温かさが溢(あふ)れていました。それは癒やされた傷と彼らの救いの喜びから溢れ出る神様の愛でした。
あらゆる情報が錯綜し、混迷を極める時代の中で異端・カルト問題に対する働きは、ますます重要性を持つことでしょう。神様の愛の表れとして、この働きが広がり前進することを願っています。
(吉岡 創=日本聖約キリスト教団教務局異端問題担当)


■韓国 異端相談所で救いの確信、脱会者が相談員に


■嘘に騙されても思い込んだら否定できない
聖書の真理を幼少から教えよう
(小林宏明)


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(小泉創)