戦乱の悔い改めと赦しを乞い、平和を求め一致する「聖地の祈り」呼びかけ  世界福音同盟

世界福音同盟はガザとイスラエル双方の被災者を援助する

イスラエルとハマスの停戦合意にもかかわらず戦闘状態に終わりが見えないなか、世界福音同盟(WEA)は「すべての人々に対するキリストの愛を反映したバランスの取れた戦略的な解決策」として、ガザとイスラエル双方の困難な人々を援助することを表明し、世界の福音派教会に一致の祈りと行動を呼びかけた。

WEA Global Advocacy Newsletterより

世界6億人の福音派キリスト者の多くは聖地で苦しむ被災者を助けたいと願っているが、戦争で荒廃したガザ地区とイスラエルの双方にキリスト者がいて、政治的には様々な見解があるため分裂が複雑になっていると、WEAは11月27日に発信したニュースレターで指摘する。

WEAには世界各国および地域の福音同盟が加盟し、宗教の自由などの問題で国連に発言する立場を持っている。「イスラエルとパレスチナの両方を含む世界中の福音派を代表する組織として」特定の政治的立場を支持することはできないとした上で、WEAは「イエスが平和と正義のために祈るように私たちに呼びかけていることを知っている」として、すべてのクリスチャンが心を一つにして祈るよう呼びかけている。

また、「戦時下で教会が神の手と足になる」手段として、ロシア侵攻後のウクライナ避難民に対しグローバルネットワークを活用して緊急援助を実施してきたことを挙げ、ガザとイスラエルで信頼できる地元のパートナーを通じて最も助けを必要としている人々への人道支援計画を発表した。

計画では、中東・北アフリカ地域福音同盟と連携し、2023年10月17日の爆破で数百人が死亡したガザのバプテスト病院を修復する。このプロジェクトでは、バプテスト病院のX線施設、緊急治療室、病室を修復し、医薬品と医療用品を補充することを目的としている。また、3000家族にフードボックスを提供するほか、グループやオンラインカウンセリングを通じて精神的・心理的なサポートを実施。またエジプト福音派のナイル教会と協力して、ガザからエジプトへのラファ検問所で難民を支援している。

こうした活動が有効性を持つ鍵として、W E Aが「イスラエル政府、パレスチナ政府の両方と調和の取れた関係を維持することを可能にする政治的中立性」を挙げている。

ハマスによる攻撃による恐怖の中で暮らしているイスラエル南部の住民に対しては、イスラエル福音同盟と協力して避難民の支援にあたっている。イスラエルの教会や地方自治体と密接な関係にあるドイツの慈善団体で、WEAのパートナーであるハウス・オブ・ホープが一時的な被災救援センターを設立するための資金を調達している。

ハウス・オブ・ホープは、ガザからのロケット砲撃にさらされた二つの歴史的な都市アシュケロンとアシュドッドにコミュニティセンターを設立する予定だ。同団体のCEOマルティン・デュークマン氏によると、アシュケロンの人口の四分の一にあたる4万人が数百発のミサイル攻撃で住居を破壊されて避難場所がなく、生き延びるため食糧支援に頼っているという。またアシュドッドには、様々な民族的背景を持ついくつかのメシアニックジューの会衆があり、比較的大きな会衆のリーダーの一人が被災救援センターを設立するのを援助している。

救援センターはキリスト教団体の危機対応を調整し、食糧、緊急物資、子どもの活動、トラウマ療法、精神的な支援を提供するという。

WEAは一致の祈りについて、次のように呼びかけている。

クリスチャンは、祈りによって導かれなければ、行動は無価値であることを知っています。イエスが「わたしを離れては、あなたがたは何もすることができないのです」(ヨハネ15・5)と言われました。しかし、イスラエルとハマスの戦争では、祈りの呼びかけでさえ論争に満ちています。平和のための祈りは、イスラエルの自衛権を否定すると見なす人もいます。テロリズムに対する祈りは、パレスチナ人の主張を否定すると見なされます。

WEAは、イスラエルとパレスチナの両方の指導者に注意深く耳を傾け、キリスト教徒間の団結と尊敬を維持するために多大な努力を払ってきました。そして、すべての信者が、彼らの政治的見解が何であれ、支持できるはずの、精神的に深い祈りの呼びかけを発表しました。ぜひ読んで、自分で祈って、他の人と共有してください。

聖地のための祈り

「わたしの名で呼ばれているわたしの民が、自らへりくだり、祈りをささげ、わたしの顔を慕い求めてその悪の道から立ち返るなら、わたしは親しく天から聞いて、彼らの罪を赦し、彼らの地を癒やす」※1

天の御使いたちと共に、私たちは宣言する:「聖なる、聖なる、聖なる、主なる神、全能者。昔おられ、今もおられ、やがて来られる方」※2 あらゆる部族、民族、言語から来た聖徒たちとして、イエス・キリストの十字架によって神と和解し、私たちは宣言します。「救いは、御座に着いておられる私たちの神と、子羊にある」※3キリストのからだとして、神の家の共同の市民、家族の一員として、私たちは神の御霊によって叫びます。「天にいます私たちの父よ。御名が聖なるものとされますように」※4

歴代の教会と共に叫びます:「御国が来ますように。みこころが天で行われるように、地でも行われますように」※5 地とそこに住むすべてのものがあなたのものだと喜びます! 創造主なる神よ、息吹と美とあらゆる良き完全なる賜物を与えてくださるあなたを、私たちは喜びます。畏敬の念をもって、あなたの愛と慈しみと憐れみと友愛と導きを受け入れます。この世界の管理を私たちに託してくださったことを、驚嘆をもって受け入れます。私たちは感謝をもって、アブラハムの信仰を通して私たちに与えられる、諸国民への約束の祝福を受け取ります。私たちは謙遜をもって、父と子と聖霊の名においてすべての民を弟子とする中で、その祝福を前進させる使命を受け取ります。憎しみに満ちたこの世界で、私たちは心を尽くし、思いを尽くし、力を尽くしてあなたを愛し、隣人を自分自身のように愛することを改めて誓います。

歴代の教会と共にひざまずき、告白します:「私たちの負い目をお赦しください。私たちも、私たちに負い目のある人たちを赦します」※6 あなたの偉大な戒めは愛であるにもかかわらず、あなたの世界とあなたの家族である私たちは、自己中心的で、分裂し、争い、性的倒錯に陥り、貪欲で、高慢で、不正であり、あまりにも頻繁に、私たちを愛する者だけを愛してきました。聖霊の交わりと平和の絆を熱心に保つべき私たちは、謙遜や忍耐をもって歩まず、あまりにも頻繁にこの世の方法や物事を追い求めてきました。真の視力を与え正しく裁く御霊の住まいである私たちは、目を覆い、心を硬くし、あまりにも頻繁に正義と公正について沈黙してきました。私たちは、戦いが血肉ではなく闇の支配者に対するものであると悟り、あなたの完全な武具を身に着けるべき者でありながら、他者を悪魔視し、祈りを忘れ、あまりにも頻繁に天から来ない恵みと知恵を求めてきました。私たちは赦しを祈ります。あなたの憐れみを求めます。私たちの罪と世界の罪を取り除くキリストの血に感謝します。

歴代の教会と共に、私たちは苦難と悪を見て叫びます:「なぜ国々は騒ぎ立ちもろもろの国民は空しいことを企むのか」※7 嘆きをもって、あなたの似姿に造られた者たちによる流血、恐怖、意図的かつ組織的な破壊を見つめます。これはあなたの御心ではありません。嘆きながら、戦争と暴力に囲まれた子どもたち、女性たち、男性たちの苦悩を見つめます。これはあなたの御心ではありません。絶望しながら、すべての人の益となる恵みを与えようと呻きながら、破壊される地の美しさを見つめます。これはあなたの御心ではありません。従順をもって、秩序と善をもたらすためにあなたが置かれた権力者たちのためにとりなします。今私たちの目に映るのは、戦争とテロリズム、死と混沌への同意であり、栄光の王よ、これはあなたの御心ではありません。希望をもって、全能の神、平和の君であるあなたを見つめ、速やかに来られ、正しく裁き、鉄の杖を砕き、支配者たちに知恵を与え、剣を鋤に打ち直すことを教え、すべての人に安息と恐れなき場所を与えてくださるよう求めます。これがあなたの御心です。

歴代の教会と共に、聖地を見つめ、エルサレムの平和とガザへの道における救いを祈ります:感謝をもって認めます。イエス・キリストの良き知らせは、まずユダヤ人に届きました。世界のあらゆる民の中から選ばれた彼らを通して、あなたの御心と御業が示されたのです。今、信仰の全世界の家族として、御心がこの地に再び現れるよう祈ります。ユダヤの民がこの地と世界で憎まれ、人間性を否定されてきたことへの赦しを求めます。この地のパレスチナ人、ムスリム、キリスト教徒が同様に憎まれ、人間性を否定されてきたことへの赦しを求めます。今、私たちは祈ります。キリストにあってユダヤ人も異邦人もないことを宣言する者として、敵意の終焉を、捕らわれ人たちの解放を、悪と悪を行う者たちへの裁きを、トラウマと憎悪に根ざしたイデオロギーの崩壊を、この地の民が共に安全に生きる道を見分ける新たな心を、そしてすべての人々が悔い改めに至り、復活された私たちの主イエス・キリストにあるすべての者への恵みと真理の知識を得ることを。主であるイエス・キリストの恵みと真理を悟り、悔い改めに至るよう祈ります。

歴代の教会と共に、あなたの目が雀にも注がれ、最も迷える者にも思いやりが及ぶことを喜びます:あなたは苦しむ者と深く共におられ、私たちが最も小さい者にすることを、あなた自身にすることだとお示しになります。あわれみ深い神よ、どうか子どもたち、父母たち、障害を持つ者、囚われの身にある者、悲嘆に暮れる者、飢えに苦しむ者、恐怖に震える者、追放された者、そして代弁者なき者たちのために、あなたが慰めと介入をなさいますように。復讐はただ御身に属する、力ある神よ、御目が正義を求めて注がれるこの地に、今や流血と叫びが聞こえるこの地に、平和と回復をもたらしてください。力強い羊飼いよ、イスラエル人とパレスチナ人、ユダヤ人とムスリムとキリスト教徒のために、死の陰の谷においてあなたの杖と杖が守り慰め、イエス・キリストにおけるあなたの栄光が海を覆う水のように地を満たすよう、私たちはとりなします。

歴代の教会と共に、私たちはあなたの約束を信じます:「見よ、わたしはすべてを新しくする」※8 涙をぬぐい去り、死と痛みが消え去り、槍が刈り込み鉈に変わり、獅子と子羊が共に伏し、古い秩序が過ぎ去る日を、私たちは切に待ち望みます。この和解なき世界で目に見るものにもかかわらず、御霊に歩調を合わせ、信仰によって歩む平和の使徒として、今この時、御子として行動できますよう、お守りください。この和解なき世界で耳にするものにもかかわらず、私たちはあなたに美しい足を与え、平和の福音をもって履かせ、主の御名を呼ぶ者はすべて救われるという良き知らせを大胆に宣言する力を与えてくださるようお願いします。イエスよ、私たちは告白します。あなたの御名はすべての名の上に立つと。あなたは復活であり、命です。あなたは道であり、真理であり、いのちです。エルサレムに、ガザに、ロシアに、ウクライナに、スーダンに、ミャンマーに、インドに、アルメニアに、アゼルバイジャンに、イランに、そして私たちが故郷と呼ぶすべての地に、あなたの中に希望があります。なぜなら、あなたの御前にあっては、すべてのひざがひざまずき、すべての舌が、父なる神の栄光のために、あなたが主であることを告白するからです。それゆえ、私たちは希望を失いません。それゆえ、私たちは忍耐します。それゆえ、御霊と花嫁は言います。「アーメン。主イエスよ、来てください」※9

※1Ⅱ歴代誌7章14節 ※2黙示録4・8 ※3黙示録7・10 ※4マタイ6・9 ※5マタイ6・10 ※6マタイ6・12 ※7詩編2・1 ※8黙示録21・5 ※9黙示録22・20

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