【教会ルポ】ボクシングも教会も、 一対一の信頼から。 保守バプテスト同盟ビクトリー・チャペル聖書教会

2022年献堂の会堂

 ボクシングクラブとチャペルの顔を併せ持つ、教会がある。「教会に集う方で、私のことを『先生』とは呼ぶ人はいません」と語るのは、ビクトリー・チャペル聖書教会(宮城県富谷市)主任牧師の伊藤直治さん。直治さんは「監督」、息子で牧師の走さんは「コーチ」と親しみを込めて、そう呼ばれる。監督が独学からボクシング指導した走さんは、全日本選手権3位などの実績や世界王者・井上尚弥選手との試合経験を持ち、クラブの指導力はお墨付きだ。

 開設のきっかけは、「教会で地域との関係づくりができるものを」という思いからだった。ミット打ちを始め、ボクシングは1対1の信頼関係がなければ上手くいかない。子どもをはじめ生徒が礼拝に顔を見せてくれるのも、普段の関係性があってこそだ。「メッセージも特に子ども向けではないですが、居心地がいいみたいです」と直治さん。深い信頼関係があるのは、生徒だけではない。「地域でネイルサロンを経営する親御さんは、ネイルしつつ教会のことを宣伝してくれます。そして多くの方が、教会に協力したいという思いをもって訪れるんです」

ビクトリー・チャペルボクシングクラブ

 つい先日も、教会への思いに驚かされることがあった。宗教法人格取得にあたって50人の名簿が必要になったことを、ためらいながらも伝えた時のことだ。「私、まとめますよ」。他の方にも伝える度返ってくるのは、「家族全員の名前も載せてください」「〇〇さんにも頼んでおきます」といった思いがけない反応だった。

 「富谷市に来てからは、教会のチラシ配りから始めるのでなく、関係性を築く中で自ずと礼拝を訪れる形へと変えました」。実は、同教会は富谷市で再建された教会、かつては茨城県つくば市にあった。「自分に色々な足りなさがあって、挫折の連続でした」。燃え尽きかけていた直治さんに、2014年、出身地である宮城県の母教会から牧師招聘(しょうへい)の話が届いた・・・

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