カーク氏の「人種差別発言」 黒人牧師らはどう見たか

チャーリー・カークがアメリカフェスト2024のステージでスピーチをしている 写真=ジョシュ・エデルソン / 寄稿者 / ゲッティ

銃撃事件で亡くなった保守政治活動家チャーリー・カーク氏を巡り、キリスト教会でも様々な議論が起きている。カーク氏の活動は保守派の若者らに支持を集めた一方、「人種差別発言」が批判された。本紙提携の米国誌「クリスチャニティトゥデイ」が、9月26日に公開した記事は、様々な黒人牧師らの声を伝えつつ、各方面を意識して閉じる内容となっている。

黒人の聖職者とクリスチャンがチャーリー・カークの遺産に格闘

ハレルヤ・ハデロ

多くの人は、この活動家の人種に関する扇動的な発言は、私たちが彼の人生をどう記憶するかを示唆するものであるべきだと言っている。

多くの黒人の牧師やクリスチャンは、政治的右派や福音主義の一部で保守活動家チャーリー・カーク氏を好ましく追悼する動きに異議を唱え、カーク氏の暗殺は非難するものの、有害な人種差別的言説を用いた男の遺産をたたえることはできないと述べている。

この分裂は、今月ユタ州の大学で講演中に射殺された、影響力のある31歳のカーク氏をどう追悼するかをめぐる全国的な亀裂を反映している。カーク氏の死は、アメリカにおける政治的暴力の台頭に対する新たな懸念を引き起こし、ドナルド・トランプ大統領の側近であり、全米の若い保守派を組織したこの活動家について、激しい議論を巻き起こした。

今週初めの追悼式で演説した人々を含め、カーク氏の支持者たちは、キリスト教の価値観を守って殉教した活動家として、この活動家を称賛してきた。しかし、説教壇、メディアのインタビュー、ソーシャルメディアの投稿などでは、多くの黒人の指導者やクリスチャンが、侮辱的で人種差別的、そして聖書に反すると考えるカーク氏の過去の発言をことごとく取り上げている。彼らは、こうした発言もまた、国が彼の遺産を語り継ぎ、記憶していく上で重要な意味を持つべきだと主張している。

「彼の不幸で無分別、そして悪魔仕業とさえ言える殺人を嘆くのは当然です」と、テキサス州アーリントンのコーナーストーン・バプテスト教会の主任牧師、ドワイト・マッキシック氏は述べた。「妻が夫を失い、子どもたちが父親を失うという悲しみは、誰しも共感できるものです」

しかし、マッキシック氏は「人種に関する彼の発言が残念で非難されるべきものであるという事実を見過ごすことはできない」と付け加えた。

カーク氏の批判者たちは、2023年に自身のラジオ番組で犯罪について議論していた際の発言を含め、この活動家が長年にわたって行ってきたいくつかの発言を指摘している・・・

(次ページでカーク氏の発言、黒人牧師らの反応、意見など、約2300字)