地域での真価試される 熊本拠点YMCA

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写真=益城町総合体育館。外では炊き出し。中は避難者と支援者で騒然

熊本YMCAは、指定管理施設の益城町総合体育館、御船町スポーツセンター、阿蘇のキャンプ場などを避難所、ボランティアセンターとして開放し、全国のYMCA、各種団体と協力して管理、支援活動をしている。
4月29日に記者が益城町総合体育館を訪問した際は、体育館の中は、情報掲示板、配布物コーナー、廊下にまで段ボールを敷いて避難する人、各支援のブース、支援作業に動く人たちなどで騒然としていた。フェイスブックの「熊本YMCA緊急災害支援」ページで日夜活動が報告されている。5月3日の時点で益城町総合体育館の避難者は千500人。カフェスペース、健康相談所、プレイルーム、授乳室、ペットのためのテントなど場所を用意。睡眠を削りながらもスタッフやボランティアも笑顔で対応。子どもたちも積極的に大人たちを手伝っている。物資を運ぶときも、自主的に参加して手伝いをしている姿を伝えている。
熊本YMCA学院には、介護福祉、保育を学ぶ学生がいる。OBも含め避難した高齢者の介助などで活躍した。同学院日本語学校の外国人を中心に、災害情報を得にくい外国人にも配慮している。熊本YMCA総主事の岡成也さんは、「キリスト教を基盤にして、地域と関わり続けてきたYMCAの意義が試される機会となっている」と話した。
同事務局長の神保勝己さんは、「行政などの支援が展開し、復旧が進んでいるが、心の問題が残る。落ち着いたときに、家がない、仕事がない、農業ができない、先が見えなくなる。トラウマのケアもいる。寄り添うかたちで、長期的な支援をしていきたい。そのためには、モノ、ヒト、資金が必要」と支援を願う。地域支援とともに、一足早く働く親のために保育園は再開した。他熊本YMCAの施設(一部を除き)でも5月10日には再開し、地域に貢献していきたいという。
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4月28日、横浜YMCA(田口努総主事)は「熊本地震緊急支援報告会」を開いた。18日から24日まで被災者支援に派遣されたスタッフの、依田智義さん、大塚英彦さんと、25日に視察に入った秦好子さん(被災地の子どもを支援する神奈川市民の会事務局長)が、現地報告。行政の支援を個々の被災者まで届けるためには、ボランティアの働きが欠かせない、と語った。
依田さんと大塚さんは、主に御船町スポーツセンターと益城町総合体育館で活動。両施設は熊本YMCAが指定管理者として委託されているが、今回避難所としても運営委託を受けた。御船町スポーツセンターでは、250人が避難。体育館の天井が落ちたため、寝泊りは、廊下、階段など。3日目からは食事配給を被災者が手伝うなど、早くから住民が避難所の運営に関わっている。益城町総合体育館は、千200人の避難者を受け入れ、駐車場では500人以上が車中泊。物資は、個別に必要なものを除き、満たされている。外部からのボランティアの申し入れも多かったが、益城町の人を中心に自分の地域のために活動してもらっている。「スターボックス益城町店」というカフェを開設。温かいコーヒーが「ほっとする」と喜ばれた。要介護の人のためには、介護の専門職とコーディネーターがともに働くことで、支援が円滑に行われている。
横浜市消防局消防訓練センター次長の経歴も持つ秦さんは、今までの災害で明らかになった課題が今回も解決されていない、と語る。「想定外という言葉は、非常時には許されない。避難所の運営は、避難者自身が参加する自立した運営を基本とし、それを支える体制が必要。施設の指定管理者が、非常時の運営をどれだけ担えるかは疑問。行政は非常時の施設運営管理体制を考えないといけない」と語った。