新たな迫害の始まりか　中国シオン教会の牧師ら30人一斉検挙　6都市で

中国の大規模な家庭教会（地下教会）の牧師らが10月10日金曜日に拘束された。本紙提携の米国誌「クリスチャニティトゥデイ」が状況をまとめ、11日に電子版で報じた。 2018年のジン・ミンリ牧師 写真 フレッド・デュフォー AFP 中国、影響力のある家庭教会の牧師を拘束 アンジェラ・ルー・フルトン 当局は、シオン教会のジン・〝エズラ〟・ミンリ（金明日）牧師を数十人の教会指導者とともに逮捕した。 木曜日（10月9日）以来、警察は中国の有力な家庭教会ネットワークであるシオン教会の牧師や職員約30人を拘束しており、これは中国におけるクリスチャンに対する迫害の新たな波の始まりではないかと多くの人が懸念している。 （次ページで、拘束の経緯、関係者の声、今後の教会の在り方、などについて、約2100字） 逮捕は中国全土の少なくとも6都市で行われた。非営利団体チャイナエイドによると、10人以上の警察官が金曜日（10日）、広西チワン族自治区北海市にある主任牧師のジン・“エズラ”・ミンリ（金明日）氏のアパートに押し入り、一晩中捜索した後、ジン氏に手錠をかけて連行した。当局は深圳（シンセン）空港で牧師1人を拘束した。教会員とも、北海市の10人以上の信徒と、連絡が取れなくなっており、彼らも逮捕されたかどうかは不明である。 ジン氏の娘で、ワシントンD.C.近郊のメリーランド州に住むグレース氏は、金曜日（10日）の朝、目覚めた時に父親がシオン教会の牧師、ワン・リン氏の逮捕について祈祷を依頼する手紙を見て、初めてこの一斉検挙について知った。その後、同じく米国に住む母親から電話があり、父親と連絡が取れなくなったと言われた。その後、父親が北海で逮捕されたことが分かった。 グレース氏は、このような事態が起きる可能性を常に認識していた。2018年、政府は北京にあるシオン教会の礼拝堂を閉鎖した。しかし、パンデミック以降、同教会は全国各地の少人数グループにライブストリーミングによる礼拝を提供するハイブリッドモデルを通じて急速に成長した。現在、教会ネットワークは40都市にまたがり、約1万人の信者を抱えている。おそらくこの成長を受けて、中国政府は同教会をますます標的とし、礼拝を解散させたり、牧師や信者を拘束するなどしてきた。ただし、通常は数日後に釈放されている。 「こんなことが起きているなんて信じたくなかった」と彼女は言った。父親が不在だったことを軽く受け止めようとした。もしかしたら、当局は父親を「お茶を飲みましょう」（中国では警察の尋問を婉曲的にこう表現する）と誘っただけかもしれないと思ったのだ。「それが何を意味するのか、見たくなかったんです」 中国北東部出身の朝鮮族であるジン氏は、天安門事件をきっかけに共産党政権に幻滅し、クリスチャンになった。地元の教会では、希望は見いだせなかった。 07年、20人足らずの信者とともにシオン教会を設立した。10年後、教会は中国で最大規模の非登録家庭教会の一つとなり、約1500人の信者と20人以上の牧師を擁するようになった。18年、弾圧が始まる前に北京の教会を訪れた際、教会は広々とした近代的な礼拝堂と専用のコーヒーショップ、キリスト教書店を備えたオフィスビルの3階で集会を開いていた。 18年8月、ジン氏が礼拝堂への防犯カメラの設置を拒否したことを受け、政府は教会の閉鎖をちらつかせ始めた。当局は約100人の信者に対し、教会への出席をやめるよう圧力をかけた。9月、政府は教会を正式に禁止し、教会の敷地を封鎖した。警察はジン氏をはじめとする指導者たちを数時間拘束した後、釈放した。 この週の取り締まりはその時とは違っていたと、ウィートン大学で神学博士号取得を目指すシオン教会の牧師、ショーン・ロン氏は述べた。この組織的な襲撃の際、全国各地の都市の警察は指導者と職員を拘束するための令状を所持していた。彼らは「インターネットを通じた宗教情報の違法な拡散」の容疑に直面しているとロン氏は述べた。 しかし、ロン氏は、ジン氏が弾圧をずっと前から予期していたと指摘した。18年、教会が閉鎖される前から、ジン氏は迫害の兆しを感じており、牧師の逮捕によって教会が指導者を失うことを防ぐため、ロン氏とその家族を海外に送り出した。ジン氏の妻、娘、そして二人の息子も、政府に圧力として利用されないように米国に移住した。 今年もジン氏は嵐の到来を感じていた。ある時、ジン氏とのZoom会議で、ロン氏はシオン教会の指導者全員が逮捕されたらどうなるかと尋ねた。ジン氏は「ハレルヤですね。新たなリバイバルの波が来るからです」と答えた。 それでもロン氏はこの逮捕に衝撃を受けている。「これは、中華人民共和国憲法に対する残忍な違反です。憲法は、すべての中国国民に宗教信仰の自由を認めています」 シオン教会が土曜日（11日）に発表した祈祷書には、最近迫害を受けている他の家庭教会が列挙されている。5月には、西安警察がシオンの光教会のガオ・チュエン・フ―（高全福）牧師を「迷信的な行為を用いて正義の執行を妨害した」として拘束した。6月には、当局が臨汾市の金灯台教会の信者10人を詐欺罪で投獄した。ヤン・ロン・リー（楊栄麗）牧師には懲役15年の判決が下された。 中国国内の指導者らが拘束されている中、ロン牧師と、韓国やカナダを含む海外に住む他の数人の牧師は、引き続きシオン教会の牧師として活動する。 弾圧開始から3日後の日曜日（12日）には、シオン教会の100の開拓教会（5人から50人ほどの集まり）は、いつもの週と同様に礼拝を行うとロン氏は述べた。リビングルームで集まるグループもあれば、レストランの個室を借りて集まるグループもある。参加者は、韓国在住のシオン教会の牧師が、キリスト教最初の殉教者であるステパノの石打ち（使徒7章54～60節）について説教する様子をZoomで視聴し、ロン氏による短い奨励と祝祷の言葉を聞く予定。その後、参加者は対面で話し合いや聖書研究を行い、共に食事をする人もいるだろう。 「苦しみなくして栄光なし。これが中国の家庭教会運動の歴史における最も重要な精神的DNAです」とロン氏は述べた。「私たちは弟子となるための代償を喜んで支払います」 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-azwnwjkxepaf4thv/ https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-zisddjnehah5zgwy/

日	月	火	水	木	金	土
	1	2	3	4	5	6
7	8	9	10	11	12	13
14	15	16	17	18	19	20
21	22	23	24	25	26	27
28	29	30	31