「ほんの十数秒で人生が変わった。こんなに町が変わるとは」。熊本市における支援拠点となったトータル・熊本ハーベストチャーチの中村陽志牧師は記者が訪問した4月28日に語った。開拓14年目の記念礼拝を17日に予定していた。通常礼拝出席は60〜70人だが、それぞれ自宅で被災したり、移動できない高齢者などがいた。18日には災害支援センターとして機能し始め、会堂を物資置き場、支援窓口、宿泊所として開放。「熊本のためとして、会堂利用は、100%了承してもらっているが、支援活動で、信徒の家庭訪問もしきれず、通常の活動はどうなるか。心痛い部分もあります」。中村牧師の自宅も震災の片付けをしながらだ。27日には、疲労で一日休んだ。「町も復旧を推進するが、市民の気持ちが追いつかず、心の面で、ひずみが出るのではないか」と心配する。
教役者会など近隣の牧師同士のつながりもあった。熊本YMCAでも委員をつとめ、同学院で非常勤でキリスト教の授業をしている。
東日本大震災時には、シンガポールの教会の資金援助を得て、被災地から要望のあった自転車を100台送った。このとき当時の熊本YMCA総主事が運送の手配に協力した。熊本地震発生時はいち早くシンガポールから支援者が駆けつけた。
KCDRCは、「火山などがあり、九州はどこでも災害が起き得る。今後の教会支援協力体制のためにも重要だった」と述べる。
教誨師を十数年務め、服役者や出所者の支援を続けている。自身も複雑な家庭に育ったが、信仰を持ち人生が変わった。著書『心の居場所が見つかれば人生はいつでもやり直せる』(マガジンハウス)では、「多くの人たちに助けられた。自分たちも自然に誰かを助けたい」と語っている。

