理系の血が騒いだ 新校舎建築と科学的思考 普段着の読書 牧師編 第3回 鎌野直人

 理系の血が騒いだ

筆者は、旧約聖書学で学位を取り、神学校の校長をしている。しかし、それ以前、日本の大学と大学院で化学工学を学んだ「理系出身者」である。筆者の理系の血が過去十年、騒いだ。本務校で新校舎を建築するというプロジェクトを進めたからだ。建築関係の書を購入しては、読みあさった。

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捕らわれない自由 普段着の読書 牧師編 第2回 鎌野直人
『アメリカはいつも夢見ている はた迷惑だけど自由な「夢の国」が教えてくれること』渡辺 由佳里著、KKベストセラーズ、千980円税込、四六判、2022年 前回 h…
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1960年代に建築された二つの校舎を解体して、新しい校舎を立てる今回のプロジェクトで大切にしたのは「学生の住環境」であった。旧校舎は鉄筋コンクリート造のしっかりしたものではあった。しかし、海外からの献金で費用がまかなわれたこともあり、ギリギリの予算の中で建てられた。結果的に冷暖房の効率が非常に悪く、結露もあちらこちらでみられ、地下はかび臭かった。学生や舎監として働いた教職者の中に健康を害する者もいた。このような状況を変えたい、が学校側の担当者の思いであった。

(次ページで、住居環境の第一人者、夏は涼しく経済的に、など約1520字)

『お金と健康で失敗しない 間取りと住まい方の科学』松尾和也著、新建新聞社、1,980円税込、A5判