香港大火災「二重三重に悲しい」 日本の有志で緊急祈祷会

11月26日、香港北部郊外大埔(タイポー)の高層住宅7棟で起きた火災は、死者159人、行方不明者31人に及ぶ大惨事となった(12月3日現在)。2020年以来有志で祈り続けている「香港を覚えての祈祷会」は、緊急に「香港の大火災を覚えての祈祷会」を12月1日にオンラインで開いた。現地の牧師からの報告を聞き、参加者たちは祈り合った。

                                写真・CoCoMo1996 フォトAC

2020年の国家安全維持法以来、人びとが大勢集まって活動することが制限されていたが、多くの人々がボランティア活動をし、「久々に香港人の精神を見た」という声も聴かれたという。牧師やクリスチャンがカウンセリング活動をしている。香港の人々だけではなく、フィリピンやインドネシアなどの家事労働者が犠牲者となった。

一方、民間の活動に当局は神経をとがらせている・・・

(次ページで、香港の牧師からの報告、祈祷課題など)

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追悼の言葉を貼り出した掲示板が、2020年以前の民主化運動時の掲示板(レノンウォール)を連想させるということから当局によって撤去されるということが起きたという。

火事の原因追究が進まず、民間独立調査委員会の必要を訴える署名活動が起きたが、主催者が拘束された。「竹の足場が出火原因と発表されたが疑問視されている。そもそも工事の進め方が悪かったのではないか。工事受注の段階で不正があったのではないか。政府のチェック&バランスが機能していないのではないか、など様々指摘されている。命を失ったことだけでも悲しいのに、香港政府の対応に、二重三重の悲しみがもたらされている」と同祈祷会世話人の松谷曄介さん(金城学院大学准教授・宗教主事)は指摘した。

香港の牧師が支援活動で移動中の車内から報告した。「今、抱えている気持ちは、悲しみよりも怒りだ」と言う。「これは天災ではなく、明らかに人災だ。政府の対応が、被災者に二重三重のトラウマを与えています」

19年のデモ活動と同様にアプリでボランティアをコーディネートしている。ボランティア現場では、19年の活動で助け合った牧師らと再会できたことを喜んだ。今回ショッピングモールなどに避難している人を、若者が世話しているが、経験があまりないため、サポートしに行くのだと話した。

「火災のあった大埔にある教会すべてが何らかの活動をしている。教会堂を開放して、避難者を受けいれるほか、牧師たちが30人ほど集まり、カウンセリングの活動に出かけている」と語った。

祈祷課題を3つ挙げた。

  • 家を無くした人、家族を亡くした遺族のケアのために。カウンセリングが必要。支援チームが良い方法を見つけることができるように。
  • 長期的支援のために。香港人は熱しやすく冷めやすいが、長期的に支援を続けられるように、政府も方針を打ち出してささえていけるように。
  • 公正な捜査のために。人災と言ってもいい。行われるべきでなかったことが改修工事の中であったと考えられる。被害者、遺族、香港の人のために捜査がきちんとされるように。

1204 10:06 AM

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