ワークリーダー

キリスト全国災害ネット（全キ災）＝北野献慈世話人代表＝主催の第１２回全体会合（10月27、28日、千葉県・山崎製パン総合クリエイションセンター）２日目のセッションⅣでは、市來雅伸氏（九州キリスト災害支援センター本部長）が「ワークリーダーの養成」をテーマに話した。 能登の被災者に寄り添う写真を見せながら、ワークリーダーの役割を説明する市來氏 市來氏は、災害支援現場の「人」としては、コーディネーター、ワークリーダー、事務スタッフ、ボランティアなどがいるが、「この中でいちばん必要なのはワークリーダーだと言いたい」と語る。理由は以下の通り。「コーディネータ、事務スタッフは遠隔で仕事をすることができる。ボランティアはきっと集まるだろう。だが、ワークリーダーは遠隔では無理。必ず現場に必要な人だ」 30年以内にマグニチュード８、９クラスの地震発生率が70～80％（2020年1月24日時点）の南海トラフ地震を想定しながら、ワークリーダーの養成が急務であることを説明した。 （次ページで、災害支援の現状、予測、ワークリーダーの働きについて、約1000字） 「南海トラフ地震では、東日本大震災の14.5倍の犠牲者、死者数が最悪10倍を超えると想定され、全壊・焼失建物数が19倍、避難者数は20倍に達する可能性があると予測されている。しかも被害地域は広範囲で、全箇所一致しての活動は非現実的。それぞれが置かれた場所で支援展開することになる。支援開始は何とかなるし、必要に応じての情報などの共有もできるだろう。しかし、その時に問題になるのが、ワークリーダーだ。局所的な被害なら何とかなるが、超広域となると各現場にワークリーダーを置くのは難しい。なぜなら、ワークリーダーの数＝現場の数だからだ。最悪、ワークリーダーの奪い合いになる。そうならないために、平時のうちにワークリーダーを発掘し、つながり、訓練し、実践し、できれば各ネットワークで抱えておこうということだ」。その上で、「今現場に入っている人には次世代を育てるマインドを、ボランティアを送る人にはワークリーダー付きで送るマインドを、持ってほしい」と要請した。 続いて、ワークリーダとは何かについて説明した。「ネットのAI回答では『災害発生時に、支援活動の現場を円滑に運営し、被災者支援を効果的に行うための中核を担う存在』と定義するが、私たちクリスチャンが大切にしたい定義は、『被災地に愛のくさびを打つこと』だ。主な役割は、①現場の安全管理と作業の統率、②ボランティアや支援スタッフへの指導・調整、③行政・NPO・地域住民との連携調整、④被災者のニーズ把握と支援方針の共有、⑤資材・情報・人員などリソースの最適化、など。団体やネットワークによっては、ワークリーダーに対する考え方が違うが、主体的に活動した経験があるかか否かは大きな差だ。災害支援の初動を取るにはワークリーダーの存在が重要なポイントになる」 続いて、グループワークとして、社協からボランティア受付表を預かり、全壊家屋に支援に入る時の注意点などを、限られた情報の中、各グループで話し合い、発表した。また、それぞれの関わりの中で、ワークリーダーになれそうな人たちを挙げた。また、2026年3月に、「ワークリーダーサミット」を、穴水クリスチャンセンター（石川県鳳珠郡穴水町）で行うことも予告した。 最後に、こう結んだ。「ワークリーダーとは、最前線として仕える者ではないか。ぜひ、このワークリーダー養成に加わってほしい」 関連記事 https://xn--pckuay0l6a7c1910dfvzb.com/article-dvxbx9hwy5jcapu3/

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「平時から必要なワークリーダー養成」市來氏 全キ災第12回全体会合で

「平時から必要なワークリーダー養成」市來氏　全キ災第12回全体会合で